道交法第30条では、追い越しが禁止されている場所が明確に定められています。これらに該当する場合、追い越しを行うと違反となります。追い越し禁止となる主な場所は、以下のとおりです。

●標識で追い越し禁止となっている場所
●道路の曲がり角付近
●上り坂の頂上付近や勾配の急な下り坂
●車両通行帯が設けられていないトンネル内
●交差点や踏切、横断歩道、自転車横断帯の手前30メートル以内の場所での追い越し

これらに違反した場合は、反則金が科されます。追い越しに関する反則金と罰金については、後で詳しく説明します。
  

追いつかれた側も交通違反となるケースがある

追い越しに関するルール違反はほとんどが追い越す側(後車)のものですが、追い越される側(前車)に関する違反もあります。前車が後車の追い越しを妨害しようとしてスピードを急に上げると事故が発生する危険が高まるからです。
 
そのため、道交法27条では前車に関する以下の義務が規定されています。

●追い越しを終わるまで速度を増してはならない
●追い越されるときに道幅の余裕がない場合は、できるかぎり左側に寄って道を譲らなければならない

上記の義務に違反した場合も、道交法違反となります。
 

追い越しに関する反則金と罰金

 

道交法違反は軽微な場合、行政処分として反則金が科されます。反則金を納めないと、刑事罰に移行する可能性があるので注意しましょう。
 
追い越した側と追い越された側が違反した場合に科される、反則金の金額は【図表1】のとおりです。
 
【図表1】

反則の種類 大型車 普通車 二輪車 小型特殊車 原付車
追越し違反 1万2000円 9000円 7000円 6000円 6000円
追いつかれた車両の義務違反 7000円 6000円 6000円 5000円 5000円