おひとりさま女子が年収350万円で働き続けた場合、何歳まで生きれば払った年金分の元がとれるのでしょうか?老後の年金額はどのくらいになるのかも含めてみていきましょう。

年収350万円の場合、支払う年金保険料はいくらになる?

会社に雇用されて働く場合、加入する公的年金は国民年金と厚生年金になります。厚生年金の加入者は国民年金にも同時加入していることになり、厚生年金の保険料には国民年金分も含まれています。厚生年金では収入が高い人ほど多くの保険料を納める仕組みになっていますが、保険料の半額を勤務先の会社が負担しているので自己負担は半額となります。

保険料は毎月のお給料やボーナス(賞与)から天引きされています。平成30年10月現在の保険料率は18.3%ですので自己負担は半分の9.15%です。

額面の年収が350万円(給料月額25万円、ボーナス年2回各25万円)の場合に、20歳から60歳まで働いたときの保険料払込額を計算してみましょう。将来受け取る老齢厚生年金の金額は、働いていたときの(納付した厚生年金の保険料を計算するときの)給料と、厚生年金の加入期間によって決まります。ここでは、20歳から60歳までに受け取る平均年収を350万円として試算しました。

給料(月額)と賞与(1回分)が25万円の場合、厚生年金保険料を算出するときの給料「標準報酬月額」と賞与「標準賞与額」はいずれも24万円(標準報酬月額等級16級)に該当します。

以下の計算より、1年間の厚生年金保険料は30万7,440円となります。
<給料分>  24万円(標準報酬月額) ✕ 9.15%(厚生年金保険料・保険料率 ✕ 12ヵ月=26万3,520円
<賞与分>  24万円(標準賞与額) ✕ 9.15%(厚生年金保険料・保険料率) ✕ 2回=4万3,920円

20歳~60歳の40年間の厚生年金保険料は総額1,229万7,600円です。計算式は以下の通りです。
30万7,440円(1年間の厚生年金保険料) ✕ 40年=1,229万7,600円

受け取る年金額はいくら?

実際に受け取る年金額を計算してみましょう。年金の支給開始年齢は生年月日によりますが、昭和41年4月2日以降に生まれた場合には65歳開始になります。今回の年金額の計算には、以下の通り手計算で算出できる簡易な計算式を使用しましたので概算になりますが、イメージを掴むには十分です。

国民年金(老齢基礎年金)

受け取る年金額(年)=2万円 ✕ 加入年数(40年)=80万円

厚生年金に20歳から60歳まで40年加入となるので、国民年金にも40年加入することになり、満額80万円(年間)を受給することになります。

厚生年金(老齢厚生年金)

受け取る年金額(年)=加入中の平均年収(350万円) ✕ 0.55% ✕  加入年数(40年)=77万円

年収350万円で40年間働く場合には、年間77万円を厚生年金として受給することになります。老齢基礎年金と合わせて1年間に受け取る年金額は157万円です。

2017年簡易生命表によると女性の平均寿命は87.26歳ですので、65歳から88歳までの23年間年金を受け取ると計算すると総額3,611万円となります。