これまでの内容を踏まえ、実際に渡すお年玉の額を考えてみます。妥当な金額として、学研教育総合研究所の2024年調査で小学生が受け取るお年玉の総額の平均として示された2万225円を目安にしてみてはいかがでしょうか。
同調査によると、学年別の小学生が受け取るお年玉の総額の中央値はおおよそ1万5000円から2万円です。お年玉は年齢によって金額を調整するのが一般的なので、低学年の子には1万5000円、高学年には2万円と設定するのもいいでしょう。
ただし、ただお年玉を渡すのではなく、「使う・ためる・渡す(増やす)」という3つの使い道を子ども自身に考えさせることをおすすめします。
「使う」は、手元に残しておいて自由に使えるお金、「ためる」は、子ども名義の通帳にいれて自分で管理するお金、「渡す(増やす)」は、親に渡して、投資をしたり管理したりしてもらうお金です。
「投資なんて」と思うかもしれませんが、住信SBI銀行の2021年の調査(複数回答)では、子どものお年玉を投資信託に回している人の割合が9%に達し、前年比5.2ポイント増となっています。この結果から、お年玉を増やすという選択肢が徐々に浸透しつつあることがうかがえます。
親も子も納得できるお年玉を!
親戚からお年玉を渡すことがない場合、親が渡す金額が子どもにとって受け取るお年玉の総額となります。そのため、子どもがもらえる金額が少なくなりがちな状況もあるでしょう。
よその子と総額を同じぐらいにしてあげたいと思う一方で、1人2万円という金額は、2人以上子どもがいる家庭にとっては大きな負担です。そこで提案したいのが、全額を自由に使わせるのではなく、条件をつけることで無駄遣いを防ぎ、金融教育にもつなげるという方法です。こうすることで、親にとっても納得感を得られるのではないでしょうか。
多くの子どもにとって、お年玉をもらうのは1年で最も高額なお金を手にする貴重な機会です。このタイミングを活用して金融教育を行えば、将来に役立つ実践的な学びにつながる可能性が高まりそうです。