この苦戦の原因について、豊富な取材経験と業界知識を持つ芸能記者はこう指摘する。
「クラウドナイン移籍後1作目の『bleeding love』はゴリゴリのダンスナンバー。当初、平手はクラウドナイン代表の千木良卓也氏との話し合いで『ダンス路線はやらない』という方向性で意見が一致していたが、急に千木良氏がダンスナンバーを用意したことで戸惑いつつ、結果的に納得して満足のいくチームで制作できたとオフィシャルインタビューで語っています。2曲目の『ALL I WANT』は平手の意向に沿ったのか、変態紳士クラブのメンバーとしても活躍する音楽プロデューサーGeGが手掛けたミディアムバラードでした。
どちらもトレンドを意識したR&Bマナーの楽曲で、感情に訴えかけるようなエモーショナルな歌い方のほうがトラックとの相性が良い。しかし平手の歌唱はどちらかというと淡々としているので、そもそも曲の世界観と合っていないのです。
欅坂46時代も切迫感のある曲を歌うことはありましたが、当時は不器用な歌い方が思春期特有のナイーブさを表現していた。23歳の大人になった平手が今のアーティスト路線を貫くのなら、もっと歌唱力と表現力を磨かなければ、スキル重視のK-POPなどが主流を占めているヒットチャートで勝負するのは難しいでしょう」
女優業を再開させるべき?
平手といえば、2022年のテレビ朝日系『六本木クラス』、2023年のフジテレビ系『うちの弁護士は手がかかる』などメインキャストを務めたドラマでの演技が好評で、女優としての評価が業界の内外で高まっていた。『うちの弁護士は手がかかる』は新作スペシャルドラマと映画版の制作が決定していたそうだが、一部報道によると、平手は「芝居の仕事はしばらくやらない」と降板を申し入れたという。
「女優封印」で音楽路線に舵を切ったわけだが、これを惜しむ声は多い。アーティスト路線の苦戦を受けて、「女優業を続けたほうがいいのでは」との意見も聞こえ始めている。