帰省のため新幹線の「自由席」に座っていたら、老夫婦が乗ってきました。「もうすぐ降りるので」と譲ったのですが、新幹線の自由席でも“必要な人”には席を譲ったほうがいいの?
年末年始は、帰省や旅行で新幹線を利用する機会が増えると思います。新幹線の自由席は乗客の誰もが自由に座ることができる座席で、基本的に「早い者勝ち」です。空いていて運よく座れることもあれば、何本か電車を見送って席をようやく確保している人もいるかもしれません。   そんな自由席で、もし自分が座っている目の前に高齢者やけがをしている、いわゆる「座席を必要としている人」が来たら席を譲るべきなのでしょうか。本記事では、新幹線の自由席の扱いと、年末年始に新幹線を利用するうえで知っておきたいことについて解説していきます。

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新幹線の自由席は値段が安い

座席が指定されている「指定席特急券」と違い、「自由席特急券」は対象の新幹線に乗ることのみを確約しているもので、席に座れることは保証されていません。自由席車両の座席が空いていれば座ることはできます。座席の保証がされていない分、指定席の特急料金から座席指定料金に相当する料金分だけ安くなっています。
 

新幹線に優先座席はない

在来線には優先席が設けられているものの、新幹線には「指定席」という確実に座る手段があるので、「新幹線の優先席」はありません。
 
ただし、鉄道会社によっては、乗車に配慮が必要な人のために、「車いす対応座席」が設けられていたり、2024年12月27日から2025年1月5日の期間に、子ども連れの人を対象にしたファミリー向けの車両を用意したりといった対応をしていることもあります。
 
いずれも一部の車両や期間限定のみのものになりますが、このような席が必要な人は運行車両を調べて利用するといいでしょう。
 

年末年始の新幹線は指定席のみの場合も

基本的に新幹線には「指定席の車両」と「自由席の車両」が設けられていますが、年末年始、お盆、ゴールデンウィークの3大ピーク期と言われる期間は、全席指定席で運行することもあります。2024年12月27日から2025年1月5日の10日間は、東海道・山陽新幹線「のぞみ」が全席指定席になる予定です。
 
自由席特急券でもこの新幹線に乗車することはできますが、座席の利用をすることはできず、基本的には「普通車のデッキ」のみの利用となります。この場合、座席が空いているからと席に座った場合は、所定の指定席特急券が必要になるので注意が必要です。
 
スケジュールが決まっておらず、指定席の予約が難しい場合は、自由席が設けられている「のぞみ」以外の新幹線の利用を検討しましょう。また年末のスケジュール調整ができる場合は、このような繁忙期をずらして新幹線を利用することで、ゆったりとした移動ができるでしょう。
 

基本は早い者勝ち。ただし譲り合いの心も