シルバー人材センターで就業しても、いつまで働けるかは分からず、資産状況次第では老後の不安は残ります。それではそれ以外の対策はないのでしょうか?
あくまでも1つの例ですが、今回のように1500万円の貯蓄があれば、シルバー人材センターでの収入も活用しながら、3年ほど年金を繰下げ受給することも考えられます。
図表2のとおり、3年の繰下げで年金は25%ほどアップし、受給額は月20万円×1.25=25万円です。繰下げ待機期間中に貯蓄額は半分ほどに減るかもしれませんが、その後は年金で消費支出が賄えるため、多少生活費を見直す程度でも長生きリスクは少なくなるでしょう。
図表2
日本年金機構 年金の繰下げ受給
まとめ
年金生活に入ったあとも、シルバー人材センターなどの就業で収入を得られれば、老後の生活収支はかなり改善します。ただ、センターでの就業も含め、何歳まで働けるのかは誰にも分かりません。そのため、老後資金対策として、年金の繰下げ受給や生活費の見直しなど考えられる複数の対策を組み合わせることが大切です。
シルバー人材センターでの就労は、収入面以外でも、生きがいを持つことや地域貢献にもつながります。老後生活のさまざまな視点から利用を検討してみてはいかがでしょうか?
出典
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編) 2023(令和5年)平均結果の概要
日本年金機構 年金の繰下げ受給
執筆者:松尾知真
FP2級
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