▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
法定相続人
相続人の配偶者は、常に相続人となります(民法890条)。この配偶者は、被相続人の死亡時において法律上の配偶者です。再婚している場合は、前婚の配偶者(前妻)ではなく、再婚後の配偶者(後妻)が相続人です。
配偶者以外の推定相続人は、法律で相続の順位が定められています。第一順位は子どもです。第一順位の相続人がいない場合には、第二順位である父母が相続人になります。第一・第二順位の相続人がいない場合は、第三順位である兄弟姉妹が相続人となります(民法887条・889条)。
相談例のケースでは、法定相続人は、再婚相手(後妻)と前婚の配偶者(前妻)との子ども(実子)になります。
法定相続分
民法に定める法定相続分は、相続人の間で遺産の分け方を合意できなかったときの分け方の目安です(民法900条・902条)。
具体的には、法定相続分は相続人が「配偶者と子ども」の場合、配偶者の法定相続分が2分の1、子どもの法定相続分が2分の1です。子どもが3人ときはそれぞれの法定相続分は6分の1(1/2×1/3)となります。
相続人が「配偶者と父母」の場合は、配偶者の法定相続分が3分の2、父母の法定相続分が3分の1です。相続人が「配偶者と兄弟姉妹」の場合は、配偶者の法定相続分が4分の3、父母の法定相続分が4分の1になります。
遺留分
再婚相手(後妻)やその子どもに全財産を相続させる旨の遺言を書いても、その遺言は無効にはなりません。しかし、実子は納得しないでしょう。そこで、亡くなった方の兄弟姉妹以外の相続人には遺産の最低取り分が保障されています(遺留分)。
遺留分の割合は、直系尊属(親や祖父母)のみが相続人の場合はその3分の1、それ以外の場合にはその2分の1です(民法1042条)。遺留分を侵害された相続人は、「相続開始と遺留分侵害」を知ってから1年以内に侵害者へ遺留分侵害請求を行使し、お金で取り戻すことができます(民法1046条・1048条)。
したがって、遺言の内容が思いどおりに実行されない場合もあります。