さらに、国内では20日、性加害問題の被害補償をめぐり、SMILE社が「ジャニーズ性加害問題当事者の会」(9月に解散)の元副代表・石丸志門さんに対して、補償額として1800万円を超える額を支払う義務がないことの確認を求める裁判が始まった。両者が考える補償額に大きな隔たりがあったため、調停を経て、裁判にまで発展したわけだ。
「SMILE社が提示する1800万円を超える金額の判決が出れば、すでに補償金を貰った被害者が黙っていないでしょう。そうなれば、補償問題は振り出しに戻りかねません」(夕刊紙記者)
石丸氏は「1800万円は受け入れられない」として、提示額の10倍にあたる1億8000万円の支払いを求め、争う姿勢を示した。
「SMILE社の東山紀之社長は、補償問題に際して『法を超えた救済』を行うと表明したにもかかわらず、法的手段に訴えたのだから、その言動に矛盾が指摘されています。ちなみに同社は今年、性加害事件発覚後、初めて決算公告を公表していますが、6月期決算の利益剰余金は2600億円超。にもかかわらず、性加害被害者に払った賠償額は数十億円です。本気で救済する気があるのか疑われても、仕方ないでしょう」(全国紙記者)
性被害を受けた元タレントらが問題の風化を懸念するなか、東山社長には芸能界復帰話が出回っていた。
「“SMILE社の補償問題は見通しが立った”と喧伝された頃から、復帰の噂は囁かれていました。とりわけテレビ朝日系のドラマ『刑事7人』『必殺仕事人』シリーズには続編の声があがっていて、3月頃にでも復帰宣言するのではないかという人もいました。もっとも、新たに海外で訴訟を抱えることになった今、復帰は難しいでしょう」(ドラマ関係者)
補償問題については、かねてより被害者から“弁護士任せで、SMILE社の誠意が伝わってこない”との声が伝えられてきたが、「人類史上、最も愚かな事件」(東山社長)というのであれば、SMILE社はもっと真摯に補償問題に当たるべきではないか。
(文=本多 圭)