出典:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果を公表します」を基に筆者作成
収入が高いほど教育費に回せる余裕があるとも解釈できますが、同調圧力に押され、無理をしながら費用をねん出している世帯もあるのかもしれません。
小学校受験と中学校受験にかかる「学校外活動費」と「入学検定料」
ここまでは高所得者の事情を中心に解説しましたが、小学校受験や中学校受験にかかる一般的な金額が気になる人もいるでしょう。同資料によると、幼稚園生および小学生にかける学校外活動費の年平均は、表2の通りです。
表2
公立 | 私立 | |
---|---|---|
幼稚園生 | 9万555円 | 14万4157円 |
小学生 | 24万7582円 | 66万797円 |
出典:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果を公表します」を基に筆者作成
表2の金額には受験をしない世帯のものも含まれることを考慮すると、受験をする世帯に限った平均額はさらに高い可能性もあります。
また、受験にかかる費用は学校外活動費だけではないでしょう。例えば、受験の際には検定料が必要です。検定料は1校当たり2~3万円ほどとされますが、併願数が多ければ、相応の金額になる可能性があります。遠方の学校を受験する場合は、交通費や宿泊費なども用意しなければならないでしょう。
高収入世帯でも、小学校受験や中学校受験で教育費が膨れ上がり、教育費貧乏になる可能性がある
高所得者世帯が教育費貧乏になる背景には、「周りがやっている以上、うちの子にも受験させなくては」という意識があるようです。受験対策を万全にしようとした結果、塾費用や家庭教師費用などが増え、家計を圧迫していくといいます。
一方で、教育費をいかに補うかは世帯所得に限らない共通の課題です。小学校や中学校の受験はしなかったとしても、高校や大学に進学する際などには、まとまった金額が必要でしょう。そのときに教育費貧乏にならないためには、計画的な貯蓄と収支の管理を、早い段階から始めることが大切です。