1950年代以降に花開いたイタリアモダンデザインは、哲学的、あるいは人文学的な考えを持つデザイナーと、合理主義的な考えを持つ起業家、その2つの思想・文化が出会い融合することによって成立した。
同展は、そうしたイタリアモダンデザインの歩みを、実際のプロダクトと貴重な資料や文献の展示から当時の空気感とともに鮮やかに伝え、そこに息づく精神性を読み解く試みだ。
コレクションの実物を展示販売
『イタリアモダンデザイン展』では、清澄白河のヴィンテージギャラリー「stoop」のコレクションを公開。
Gio Ponti(ジオ・ポンティ)、Ignazio Gardella(イニャツィオ・ガルデラ)など、1920年までに生まれイタリアモダンデザインの礎を築いた巨匠達のヴィンテージ作品から、Gastone Rinaldi(ガストーネ・リナルディ)、Vico Magistretti(ヴィコ・マジストレッティ)など、イタリアモダンデザイン黄金期を彩ったデザイナーたちの作品までを、網羅的にコレクションしている。
当時の目まぐるしい技術の発展を背景に、Cassina社、Poggi社、Gavina社、FontanaArte社、Oluce社、Azucena社、Tecno社、FLOS社などのブランドを支えた職人達の高い技術力と、工業化の流れの中で生み出された美しいプロダクト群全80点以上(内コンパッソ・ドーロ受賞作10点)を展示販売する。
イタリアモダンデザイン史を体系的に展示
会場では、ジオ・ポンティが創刊したインテリア雑誌『Domus(ドムス)』50冊以上を含む、同時代のデザイン関連書籍のほか、1932年に同じくジオ・ポンティによって設立された、現存するイタリア最古の照明ブランドであるFontanaArte(フォンタナアルテ)社が収集する、当時の資料や文献などを展示。
『Casa BRUTUS』などの雑誌や、自らが代表を務めるBUNDLESTUDIO Inc.での活動において、イタリアデザインの魅力を発信し続けるインテリアスタイリスト・川合将人氏協力の元、当時の資料から時代背景を含めて紐解きながら、イタリアモダンデザインに改めて目を向ける契機となることを目指す。