「玄関を開けると部屋は暗く、たくさんのロウソクが灯されていました。いつもとは違う幻想的な雰囲気。そして浮かび上がる翔大の姿に、ますます期待が高まりました。ところが次の瞬間翔大が取り出したのは、1本のエレキギターだったのです」
それはピカピカで、新品のようでした。そのギターを手に持ち、「実はちょっと前に友だちから誘われて、音楽はじめたんだ。初めて作った曲を、どうしてもクリスマスにプレゼントしたくて」と翔大さん。
そしてアンプにつなぐと、自分で作ったというオリジナルソングの演奏をはじめました。
◆プレゼントは自作ラブソングのみ……浮気を疑いはじめる
「お世辞にも上手とは言えないヘンテコなラブソング。しかも、『ギターを買ったから、今年はケーキもレストランの予約もプレゼントも用意できなくて』と言うのです」
そのため、近所のコンビニで買ったという惣菜とスイーツを2人で食べてクリスマスは終了。「昨年は数万円もするかわいいアクセサリーをくれたのに……」とショックを受けた里奈さんは落ち込み、女友だちに相談することにしました。
「すると今度は友人たちから、『クリスマスに0円プレゼントはあり得ない』『プレゼントもディナーもナシは浮気相手がいるってこと。ギターじゃなくて、浮気相手に貢いでお金がなくなったはず』『絶対に別れたほうがいい』と、別れを勧めるアドバイスの嵐だったのです」
◆彼の言うことを信用できず、一方的に別れを告げた
あらためて翔大さんを問い詰めても、「音楽を勉強して、自分が作った初めての曲を里奈にプレゼントしたくて、デートの時間を削ってコッソリと練習に当てていた」と言うばかり。
「そして、時間がないなか初めて作った曲ということもあり、出来がよくなかったことについても謝罪がありました。いったんは許しましたが、そのときにはすでに、まわりの友人たちの反応や意見などから翔大のことが信じられなくなっていたんです」