――将来のために蓄えている時期ということ。

野村:文化貯金です。お金の貯金ではなく(笑)。その年になって何も知らない人になるのは嫌だし、いろいろなことを知っている人の顔付きってあると思うんですよ。知れば顔つきが変わってくるはずだと思うので、そのときにカッコいい顔になれていればなと。なので海外もたくさん行くし、映画もいっぱい観たり、小説もたくさん読んだり、そういう勉強ですね。

◆“やんちゃなのに博識”のほうがカッコいい

野村周平
――1~2年前に何かきっかけがあったのですか?

野村:いえ、実際にやってみて楽しくなって、知ったほうがカッコいいとも思ったんです。もう31歳になりますが、今だっていろいろなことを知っていたほうがカッコいいじゃないですか、ただのやんちゃではなく、やんちゃなのに博識のほうがカッコいいなって(笑)。

――それまでの自分を否定することではなく、積み上げていくわけですね。

野村:これまでの自分があったからこそ、今があるわけなので。なので、毎日飲んだくれてとかはもうやらなくなりましたし、それよりも1本面白い映画、ないかなと探して観たり、小説を読んだほうがいいと思うんです。40歳、50歳、60歳のときにカッコいい俳優でいるために、今をどう生きるかを考えています。

<取材・文/トキタタカシ>

【トキタタカシ】

映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。