福岡県東峰村にある「筑前茶陶高取焼 高取八仙窯」は、築156年のかやぶき屋根店舗を保存するプロジェクトのクラウドファンディングを、12月21日(土)〜2025年1月22日(水)の期間、CAMPFIREにて実施している。
かやぶき屋根の保存とその文化を継承する
「高取八仙窯」は、かやぶき屋根の老朽化と維持費の課題から、2017年7月に瓦葺屋根への改修工事を予定していた。しかし、同時期に発生した九州北部豪雨で甚大な被害を受けた。
その際、かやぶき屋根工事を手掛けるクボイ建設の会長・久保井伸治氏が、土砂を重機で取り除く撤去作業のボランティアに参加していた。久保井氏は、「高取八仙窯」十四代 高取八之丞不忍氏と約30年前に英彦山神宮の儀式にて顔を合わせたことがあり、偶然の再会となった。
かやぶき屋根の現状を目の当たりにした久保井氏は、茅葺文化の保存と地域活性化への願いを熱心に語り、その思いに動かされた八之丞不忍氏は瓦ぶきへの改修計画を中止。かやぶき屋根の保存とその文化を継承する道を選んだ。そして、多くの人の支援や尽力によりかやぶき屋根を修復することができ、今もなおその姿を残している。
かやぶき屋根の魅力を伝え未来へ繋ぐ
古き良き時代のやり方を、新たな方法で継承するためには、いつの時代も「人の力」が欠かせない。「高取八仙窯」は、大雨や災害が続くなかでも人と自然が共生し、この美しい文化を未来へとつないでいくその一歩を多くの人と今ここから始めていきたいとの思いから、クラウドファンディングを実施している。
クラウドファンディングの目的は、日本最古の伝統建築様式の一つであるかやぶき屋根の魅力と、かやぶき屋根保存継承の思いや課題を知ってもらうこと。保存活動を参加型や見学型するなど、これまでにない保存活動の仕組みを作り、地域の活性化や観光資源につなげていく。伝統の継承に欠かせない、高い技術と知識を持つ職人の存在を人々が認知し、関心を持ってもらうことも目指している。