※文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」をもとに筆者作成
例えば、公立小学校に通う子どもが1人、私立幼稚園に通う子どもが1人いる場合、年間でおよそ66万円は確保しておくことが必要になります。
同様に文部科学省が「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果」でまとめた「国公私立大学の授業料等の推移」は表2の通りです。
表2
授業料 | 入学料 | |
---|---|---|
国立大学 | 53万5800円 | 28万2000円 |
公立大学 | 53万6191円 | 37万4371円 |
私立大学 | 95万9205円 | 24万0806円 |
※文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」をもとに筆者作成
このように大学生になれば授業料や入学料のほかにも施設設備費や実験実習料なども求められるため、私立大学の入学初年度の平均金額は147万7339円となるなど、かなりの金額を確保しておく必要があります。
子育て世代の平均年収は?
厚生労働省による「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、児童がいる世帯の平均年収は812万6000円という結果でした。しかし、生活意識の状況の調査で「大変苦しい」「やや苦しい」と回答したのは全体の65.0%と過半数を占めています。
児童のいる世帯で母親が仕事をしている年次推移を見ても、2004年は56.7%でしたが、2023年は77.8%と増加しています。
これらを踏まえると、子育て世帯で余裕がある生活をするためには共働きが求められ、800万円を超える世帯年収が必要になると考えられます。
世帯年収800万円以上を目指そう
子どものいる家庭で年収の平均が800万円を超えるなか、生活が苦しいと回答する人が半分以上いるようです。そのため、子育てに余裕を持って取り組むためには、世帯年収800万円以上を目安とするとよいかもしれません。
ただし、世帯年収が多すぎると高等学校等就学支援金制度や奨学金などを受けることができなくなる可能性もあります。世帯収入が高い場合には、計画的に貯蓄をし、子どものための費用を準備しておきましょう。