ペットを飼っている方が生活保護を受けたとき、「ペットの分の生活費」は保護費に含まれません。つまり、ペットにかかわる費用は生活保護費からねん出する必要があります。
 
例えば、生活保護費として5万円を受け取っており、毎月1万円ほどペットのえさ代やペットシート代などにかけていたとしましょう。すると、生活保護を受けている本人が使えるお金は実質4万円です。
 
また、ペットが体調を崩したときは動物病院へ行くでしょう。そのときの医療費も実費負担です。もし入院や手術となり毎月5万円かかったとすると、実質年金だけで生活することになります。
 
ペットを飼いながら生活保護を受けると、こうした点により生活が苦しいままになるケースもあり得るでしょう。ペットを飼う前に、責任をもって最後まで世話できるのか、ペットのためにお金をねん出できるのかをしっかり考えてから決めることが大切です。
 

犬を飼っていても受給できる可能性はある

犬を飼っていても、生活保護の受給条件を満たしていれば受けられる可能性はあります。生活保護の受給要件にペットの可否は記載されていないためです。
 
ただし、保険に加入していたり収入を得ていたりすると、資産として指摘される場合があります。保険なら解約を求められるケースもあるため、生活保護申請時にケースワーカーに相談しましょう。
 
なお、ペットにかかわる費用は生活保護費には含まれていません。ペットを飼い続けたいなら、生活保護費から自分で費用をねん出します。そのため、状況によっては生活がさらに困窮するおそれもあるでしょう。こうした事態を防ぐためには、犬を飼う時点で犬の生涯にわたって面倒を見られるのか、お金の工面はできるのかをよく考える必要があります。
 

出典

奈良市福祉部保護課 生活に困ったときはまずご相談ください 生活保護Q&A(Q7.Q12)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー