実はハリー・ポッターは子どもだけが楽しめるファンタジーではないんです。今回は、育児中のママこそ楽しめる、ハリー・ポッターの見どころから、著者J.K.ローリンズの背景まで、ご紹介します!

ママこそ楽しめる、ハリー・ポッター

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2020年8月31日に閉園する「としまえん」の跡地の一部が、ハリーポッターのテーマパークになるのはご存知ですか?2020年6月27日にはハリーポッターにまつわる新作が4作のうち2作が発売されました(英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語でリリース)。

ハリーポッターシリーズ最終巻から11年、まだまだ人気が留まりません。でもハリー・ポッターって聞いたことはあるけど、実際あまり知らないという人もいるのではないでしょうか?実はハリー・ポッターは子どもだけが楽しめるファンタジーではないんです。

今回は、育児中のママこそ楽しめる、ハリー・ポッターの見どころをご紹介します!

ハリーポッターって?

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ハリー・ポッター【全8巻】
著者:J.K.ローリング
出版社: 静山社

ハリーポッターはイギリスで1997年に発売された児童文学書です。1990年のイギリスが舞台で、魔法使いが存在する世界のファンタジー作品です。

両親の突然の死によって、おじおばの許で育てられたハリー。11歳の誕生日のプレゼントは、ホグワーツ魔法魔術学校への入学許可証。紅の汽車に乗って着いたところは見たこともないような夢の世界だった。 死の魔法を浴びても生き残った主人公の7年にわたる冒険がいま始まる。

via 静山社「ハリーポッター」(2020/07/07)

『ハリーポッター』出版社からの内容紹介

ハリーポッターの社会的評価

7巻からなるこの長編小説は、80か国語に翻訳され、全発行部数は5億部を売り上げる大ベストセラー作品となりました(2018、『ハリーポッター裏話』)。

出版 20 周年でも、『ハリー・ポッターと賢者の石』の通常版は、児童書ベストセラーの 10 位にランクインするほどの人気があります。

「『ハリー・ポッター』に匹敵する本はなかなか出てこないでしょう。残酷なことを言うようですが、これは一世代に一度の現象なんです。最近になって、全世界でのシリーズ累計売上が 5 億冊を突破しました。書籍の販売数としては驚異的ではないでしょうか。」

via レベッカ・マクナリー、Google Arts & Culture「20 年色あせないハリー・ポッターの魔法」(2020/07/07)

ハリーポッター出版元、ブルームズベリー社レベッカ・マクナリーさんインタビュー

映画ハリーポッターについて

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ハリー・ポッターと賢者の石

2001年製作/152分/アメリカ
原題:Harry Potter and the Sorcerer's Stone
配給:ワーナー・ブラザース映画

こんな原作をもとに作られた映画ハリーポッターですが、映画も人気があり、全部で8作品映画化されました。その後、ファンタスティック・ビーストへと物語の世界観が引き継がれます。ファンタスティック・ビーストも合わせて、全世界興収が1兆円突破!もちろん原作である小説も面白いのですが、映画も世界的に人気があります。

8作品もあると、何から見ればいいか分かりませんよね。ハリー・ポッターはストーリーが続いているので、公開順に見た方が分かりやすいです。公開順に「ハリーポッター」、「ファンタスティック・ビースト」を並べました。

開順 タイトル 公開年
『ハリー・ポッターと賢者の石』 2001年
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』 2002年
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』 2004年
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』 2005年
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』 2007年
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』 2009年
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』 2010年
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』 2011年
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』 2016年
10 『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』 2018年

なぜママだからこそ楽しめるのか?

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ハリーポッターはまさに母親の愛の物語なんです。ハリーは闇の帝王ヴォルデモートに命を狙われます。それをハリーの両親が命を懸けて守りますが、とくにハリーの母親が自らの命を懸け、ハリーを救います。その後も、母の愛がハリーを守り続けます。そしてハリーの母を慕っている人から助けられ続けるのです。

しかもその中でも最大の味方が誰だったか分かった時、その理由とともにもう涙が止まりません。ハリー・ポッターは、魅力的な女性でもあり、立派な母親でもある、ハリーの母の愛の物語なのです。

 

その母親の愛が切実に感じられるのです。しかしなぜこれほどまでに母親の愛に、リアリティが感じられるのでしょうか? それはハリーポッターの著者J.K.ローリングさんの経験から来ているのかもしれません。

著者J.K.ローリングさんの背景

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実はJ.K.ローリングさんの実母は、15歳の時に多発性硬化症になりました。そしてその10年後、45歳で亡くなります。J.K.ローリングさんは、父とは折り合いが合わなかったこともあって、母が亡くなったことが特に大きな衝撃があったと言います。J.K.ローリングさんは、母が亡くなる6か月前からハリーポッターを書き始めましたが、母の死が作品に大きな影響を与えたようです。

結婚した翌年に娘ジェシカさんが生まれました。「28歳の誕生日の直前。あれは、私の人生で最もすばらしいときでした」とJ.K.ローリングさんはインタビュー(2007)で答えています。しかし結婚して2年後には離婚し、それがきっかけで鬱病になったようです。

最愛の母はもう亡くなっていて頼ることはできません。当時のことを振り返り、「とびきり短い結婚に敗れ、仕事もなく、シングルマザーで、現代英国に置いてホームレスにならずにすむすれすれの貧しさだった」(2017、J.K.ローリング、pp31)といいます。また「当時は、人生からすべての色が失われたような、この状態から抜け出せる希望を見いだせませんでした」(2007、インタビュー)とも答えています。

そんな状況で、J.K.ローリングさんはハリー・ポッターを書いたのです。子どもが生まれた時点で、「ハリーポッターと賢者の石」の最初の3章が出来上がっていましたが、あとの部分はまだ草稿のままでした。

ジェシカを乳母車にのせて公園に連れて行っては、なるべく疲れ果てて眠るまで遊ばせて、寝てしまうとカフェに駆け込んではひたすら書いていたの。コーヒー一杯で何時間もねばる私に対して、どこのカフェでもいい顔をしてくれたわけではなかったのよ。

via pp.73-74、2018、J.K.ローリングさん、L.フレイザー『ハリー・ポッター裏話』 、静山社ペガサス文庫

J.K.ローリングさんが自らの母を想う気持ちと、自身の母親としての経験が、ハリー・ポッターに生きているのです。