出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ」をもとに筆者作成
 
離職した人は平均給与が低く、特に男性の場合は1年未満では差が大きいため、若手社員の意欲低下をより引き起こしてしまうのかもしれません。
 

若手社員の離職を防ぐ職場づくり

「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ」で行ったヒアリング調査によると、職場の問題も浮き彫りになりました。まず、採用担当者が伝えた内容と現場にはズレがあり、入社後にミスマッチが生じるケースが少なくありません。
 
全て現場任せの風潮やコミュニケーション不足、人材配置の不備、業務過多など、若手社員の採用や育成に会社の能力が備わっていないことも理由として挙げられました。
 
また、ライフワークバランスを重視する若手社員が増えてきているため、柔軟な働き方を取り入れることも求められます。
 
そこで、採用段階から配属後まで人事と現場が協働し、若手とベテラン、人事と現場など、定期的に面談を行うなど、コミュニケーションの活性化が不可欠です。人材配置や業務分担の適正化、成果主義の改善など労働条件や待遇の見直しも定期的に実施してください。
 
加えて、若手・ベテラン問わず、ルールやコンプライアンス研修を行い、上司自身のマネジメントスキルを伸ばすなど、若手社員が働き続けたいと思える職場づくりが求められています。
 

若手社員が辞める原因は給与だけではない

給与が低過ぎることが辞める原因にもなりますが、それよりもミスマッチや職場環境など会社の体制が離職に大きな影響があります。会社として、若者が定着する組織づくりを進めていきましょう。
 

出典

厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)
独立行政法人 労働政策研究・研修機構 調査シリーズ No.191 若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ(第2回若年者の能力開発と職場への定着に関する調査)
独立行政法人 労働政策研究・研修機構 資料シリーズ No.221 若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ(第2回若年者の能力開発と職場への定着に関する調査 ヒアリング調査)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー