新型コロナウィルス流行の影響により在宅勤務が続く中で、仕事と家事・育児の両立に苦労している方も多いのではないでしょうか。幼稚園や保育園が休園になってしまい、子どもを自宅でみなければならなくなって、24時間、子どものお世話に追われている方も少なくないようです。

今回は「在宅勤務の辛いところあるある」を紹介しつつ、家庭でのリモートワークと家事・育児を両立させるための工夫を考えていきます。

在宅勤務の家事・育児「辛いところあるある」

家での仕事と家事・育児を思うように両立できず、辛いと感じているのは、あなただけではありません。多くの方が同じ思いを抱えています。ここでは、まず、在宅勤務の家事・育児に関する「辛いところあるある」をご紹介します。

夫が家に24時間いるのに家事をしない

夫婦が2人とも在宅勤務になるまでは、夫が家事・育児に消極的なことに不満を感じながらも、「外での仕事が忙しいのだからしかたがない」と黙認していた妻も少なくないでしょう。

しかし、夫も妻も在宅勤務になってからは、毎日24時間家にいるのに家事に協力しようとしない夫に対して、妻の不満が爆発してしまうことがあるようです。家事や育児をしながら仕事をしている妻に、「お茶を持ってきて」「そこが汚れているよ」などと言って雑用をさせようとする、お客様気分の夫もいます。

ワークライフバランスが崩れる

コロナ禍以前は、忙しいながらも職場と家でオンとオフの切り分けができていた方も、在宅勤務によって、それが難しくなっています。家事・育児に追われた結果、仕事の開始が遅れたり、予定通り仕事を終えられなかったりすることもあるはず。

その穴埋めとして深夜まで仕事をすることになったり、業務時間があいまいになったりしている方も増えています。ワークライフバランスの崩壊は心身に大きなストレスを与えかねず、withコロナ時代の深刻な問題です。

常に邪魔が入るのに仕事が絶えない

在宅で仕事をしていると、子どもに呼ばれて作業を中断せざるを得ないことがあります。逆に、家事や育児で手がいっぱいのタイミングで仕事の連絡が入ってくることもあります。つまり、仕事をするにしても家事・育児をするにしても、常に邪魔が入りがちなのです。

このように、仕事にも家事・育児にも集中できないのに、やるべきことは次から次へと出てきます。ずっと忙しく働いているのに終わりが見えない状況が続けば、肉体的にはもちろん、精神的にも消耗してしまっても無理はありません。

3食分の食事の用意が必要

家族が毎日、一日中家にいるとなれば、3食分の食事を来る日も来る日も用意する必要があります。普段のお昼ご飯は職場や学校で食べてもらっていたのに、今は昼食の準備から後片付けまでの手間が増えて負担になっているのです。

自分1人だけのお昼ご飯なら残り物などで簡単に済ませていたという方も、家族の分を作るとなれば栄養バランスや品数などを考えなければならないため、労力がかかります。ときには適度に手を抜くことも必要なのですが、妻・母親として責任感が強い方ほど、自分に高いハードルを課してしまいがちです。

家族に「休んでいる」と思われる

在宅勤務という新しい習慣に対して、家族の理解が十分に得られていない場合もあります。家にいても仕事のノルマや締め切りがあったり、上司・同僚やお客様への対応を速やかにしなければならなかったりしますよね。しかし、家族からは「仕事を休んでいる」「それほど忙しそうに見えない」と思われる場合があるようです。

そのため、子どもから「一緒に遊んで」とねだられたり、夫から家事や雑用を頼まれたりしてしまうことがあります。そんなときは、「私がこんなに大変な思いをしているのに、少しも理解してくれない」という気持ちになってしまうでしょう。その度に「今は仕事が忙しいからできない」と答えるのも、気がめいってしまうかもしれません。

在宅勤務と家事・育児を両立させる5つの工夫

在宅勤務と家事・育児を両立させるのは、コロナ以前のやり方では難しいでしょう。今こそ生活を変えるチャンスです。ここからは、在宅勤務中でも無理なく家事・育児を両立させるコツを5つ、ご紹介します。

1. 家族でやることを分担する

在宅勤務になったことを機に、以前よりも家事に協力する夫も増えています。しかし、家族が家にいることによって家事タスク自体が増えているため、実質的な妻の負担がいまだに大きい家庭も少なくありません。

そこで、現在の生活に必要な家事・育児のタスクを洗い出して「見える化」する必要が出てきます。そのうえで、家族全員が各自できることを分担しましょう。

妻・母親は「私が大変なのは、そばで見ていればわかるでしょう」と思い込みがちです。しかし、夫や子どもは意外にも、「言葉で説明されなければわからない」もの。感情的にならず、してほしいことを伝えてみてください。

たとえば、「ゴミを出しておいて」と言うだけでは説明不足かもしれません。「全部の部屋のゴミ箱から燃えるゴミを集めて、朝8時までに集積所に持って行って」など、タスクを具体的に伝えるようにしましょう。

2. 家族の過ごす部屋と仕事部屋を分ける

部屋数に余裕があれば、生活するスペースと仕事をするスペースを分けることもおすすめです。生活と仕事のメリハリをつけることができます。また、仕事中は家族と物理的に離れることにより、「今は仕事をしているのだな」と理解してもらいやすくなるでしょう。

家の間取りによっては、なかなか仕事専用スペースを確保できないかもしれません。その場合は、リビングの一角をカーテンや本棚などで仕切るだけでも意識が変わります。あるいは、壁に向かって作業デスクを設置し、家族に背を向けた体勢で仕事に臨むという方法でも、「現在、お仕事モード中」とアピールできるでしょう。

3. 家事や育児で完璧を目指さない

新型コロナウィルス感染防止対策上、気分転換のために外出したくても思うようにならず、家族みんながストレスを溜めやすい状態にあります。普段は仲のよい家族でも家の中でずっと一緒にいると、ささいなことが原因の口論やケンカが起こりがちです。

家族との関係を良好に保つため、また、自身のメンタルを安定させておくため、家事や育児をこなす自分への期待値を高くしすぎないようにしましょう。SNSなどで仕事と家事・育児の両立を完璧にこなしている人を見ても、焦らないことです。大切なのは完璧にこなすことでなく、無理をしすぎずに笑顔でいられる余裕を保つことだと考えましょう。