70歳になる妻の足腰が悪くなり、息子が「同居」してくれることになりました。「毎月10万円」の生活費を渡していますが問題ないでしょうか?
高齢のため、体調が悪くなったり足腰が弱くなったりして、生活に支障が出るケースは少なくありません。生活をサポートしてもらうために、子どもと一緒に暮らし始める方もいらっしゃるでしょう。   同居する子どもにお金を渡す場合、状況によっては課税される可能性があります。課税条件を知っておくと、子どもの負担を減らせるかもしれません。今回は、「生活費」としてお金を渡すことに問題はないのか、また子どもと同居するときの注意点についてもご紹介します。

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生活費のみの負担なら税金はかからないと考えられる

基本的に、両親側から「生活費」としてお金を渡している場合は、贈与税はかからないと考えられます。国税庁では、「親子や夫婦間などで生活費、教育費として得た財産で、通常必要と認められる範囲であれば贈与税がかからない」としています。
 
日常生活に必要な費用は生活費に含まれるため、食費や水道光熱費などを含めて10万円を渡しても問題はないでしょう。ただし、生活費としてあまりにも高額であれば、税務署から指摘を受ける可能性があります。
 
総務省統計局の「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯」によると、2023年時点で世帯主が60歳未満の勤労者世帯(2人世帯)の場合は、平均消費支出が月に29万537円です。また、項目別に見ると以下のようになります。

●食料:7万343円
●住居:2万8404円
●光熱・水道:1万9357円
●家具・家事用品:1万2139円
●被服および履物:1万161円
●保健医療:1万3145円
●交通・通信:4万7304円
●教育:1701円
●教養娯楽:2万8569円
●その他:5万9413円

子ども夫婦の支出が平均レベルであれば、「食費+住居費」として約10万円を渡しても、生活費の範囲内であるため問題はないでしょう。
 
ただし、受け取った生活費を、子ども夫婦が貯金に回したり株式に投資したりすると、その金額分が課税対象となるケースもあります。「生活費」として渡すことを、しっかりと伝えましょう。
 

課税されるケースとは