◆ぜひ最前列で、歌声とともに飛び交うDNAを吸収したい

 会場でリアルな質疑応答の時間になり、日本人の団員に「学校ではどんな言葉でコミュニケーションしますか?」という質問がされたのですが「学校ではドイツ語で、日本の家族とは日本語で話します。僕は英語を話すのが好きなので普段は英語で話しています」と、ポテンシャルが高すぎる答えが。

 こんな彼らが同じ空間で歌を歌ってくれると思うとありがたく、ただ音楽を聴かせてくれるだけでなく、生き方においても啓蒙(けいもう)してもらえそうです。最近、空気中から人のDNAを採取して検証できる、というニュースを見ましたが、ウィーン少年合唱団のコンサートでは、ぜひ最前列で、歌声とともに飛び交うDNAを吸収したいところです。

撮影/辛酸なめ子 ウィーン少年合唱団
 記者会見では、ヨーゼフ・シュトラウスの「ポルカ・フランセーズ」と、日本の「ふるさと」の2曲が披露されました。

 魂を浄化し、頭頂部のチャクラを開き、松果体(しょうかたい 脳にある小さな内分泌器)を活性化させてくれるような天使のハーモニー。ポルカは細胞が踊りだしそうでしたが、ふるさとも、聴く人それぞれのふるさとの思い出が瞬時に浄化されそうでした。少年たちが歌う「水は清き~」というフレーズで、透明度が高い川のビジョンが見えました。ドイツ語なまりのふるさとも新鮮です。