埼玉県さいたま市、南浦和にある本屋「ゆとぴやぶっくす」。本の販売はもちろん、読書会や選書サービスなど、本を通したユニークな取り組みを行う同店について紹介しよう。
地域に住む人の本棚になれば
JR南浦和駅の西口から徒歩約5分の場所にある「ゆとぴやぶっくす」。付近にはカフェやイタリア料理店もあるが、住宅も多く、駅チカながら静かな場所に佇む。
店内に入ると、さまざまなジャンルの本がズラリ。その多くが古本だが、新刊も取り扱っている。古本の魅力といえば、偶然で運命的ともいえる本との出会い。「こんな本があったのだ」とつい手に取ってしまう本ばかりが並んでいた。
カバーがなかった時代の文庫本が並んでいたり、自分が持っているものと同じ本がとても綺麗だったり。いろいろな発見がある。
「古本屋は、これまでみたことがない本もあり、『こんな本、世の中にあるんだ』みたいな出会いがありますよね。“地域の方の本棚になれば”」とオーナーの栃原麦穂さんは優しい笑顔で語る。
栃原さんこだわりの新刊にも注目
「ゆとぴやぶっくす」がオープンしたのは、2022年の12月12日。開店から2年がたった。
会社員として働いていた栃原さん。その後、元々好きだった書店でのアルバイトなどを考えていたが、「せっかくならば自分で」と「ゆとぴやぶっくす」をオープンすることに。
「潤沢な予算があるわけではないので、オープン前は、日々すり減るお金とともに『本当にこんなことをやってもよいのか』というプレッシャーと不安があった」と振り返るが、今では地域の人に愛される本屋になった。
なお、新刊コーナーにある本は、栃原さん自身が選んでいるとのこと。栃原さんが好きな作品や興味があるジャンルの本が並ぶ。
読んだ本について語り合う読書会も
「ゆとぴやぶっくす」の特徴的な二つの取り組みを紹介しよう。
一つ目は、「BUZO BOOK CLUB」だ。「BUZO BOOK CLUB」は、読書会のことで、閉店後におこなわれている。