第2話で、リツと一緒に徹夜で作り上げた『ラブ・パンデミック』という作品の創作過程は、物を作る愉悦にあふれていました。とても未熟な作品だったけれど、そこには確かに熱があった。
その第2話のレビューで「ゴールデンを任されているプロの脚本家が、リョウという架空の人物の脚本術をどう進化させていくのかにも注目したいところです」と書いています。その進化の結果が、このゴールデンで放送されている『若草物語』だったという着地は、実に見事だったというほかありません。実に見事で、技巧的で、実に味気ない。
そういうんじゃないのよなーと思っちゃったんだよな。
これはもう見る側の問題なのだけれど、初期のリョウちゃんの痛々しさ、クリエイターとしての若さにたいへん共感してしまったので、なんだか肩透かしを食らった気分なんです。上手いんかい、と思っちゃった。
見終えてから気づいたんだけど、破滅してほしかったのかもしれない。創作に狂って、周囲に迷惑をかけまくって、誰にも認められないまま堕ちていく様を期待していたのかもしれない。そういう青い部分を掘り起こされてしまったんだよな、初期のリョウという女の子に。
それもまたよしです。そういうのが見たかったら、自分で書けばいいんだもんな。あー、最後に突き放してくれてありがとう『若草物語』。目が覚めたよ(別に覚めてない)。
(文=どらまっ子AKIちゃん)