「社会人になったのだから」と、“とりあえず”保険に入っておいたという人もいるでしょう。保険に加入することは大切ですが、ライフステージによって保障内容を見直すことも必要です。保険の種類や選び方、どのように見直せばよいかについて解説します。

保険にはどんなものがある?

就職したタイミングで保険に加入する方は多いでしょう。しかし深く考えず適当に選んだ……という方もいるかもしれません。

一口に保険といってもさまざまなものがあります。ちゃんと保険を選べと言われても、どう選んでいいかわからないですよね。そこでまず、保険の種類について見てみましょう。

保険は、保険業法によって「生命保険(第一分野)」「損害保険(第二分野)」「傷害保険・医療保険など(第三分野)」に分かれています。

生命保険

「生命保険」とは、人の生存や死亡に関する保険です。病気や怪我による死亡に対して、あらかじめ決められた金額が支払われます。終身保険、定期保険、養老保険などがこれに当たり、生命保険会社のみが引き受けることができます。

損害保険

「損害保険」とは、自動車や家屋などモノに対する保険です。偶発的な事故に対して、生じた損害額に応じた金額が支払われます。自動車保険や火災保険、地震保険などがこれに当たり、損害保険会社のみが引き受けることができます。

第三分野の保険

「第三分野の保険」とは、規制緩和によって生まれた保険で、生命保険・損害保険のどちらにも当てはまらない医療保障だけを担保したものです。入院や手術で保険金が支払われる医療保険や、がん保険、就業不能保険などがこれに当たり、生命保険会社・損害保険会社のいずれも引き受けることができます。

それでは、新社会人になったときに検討すべき保険と、その後見直すタイミングについて見ていきましょう。

社会人になってまず考えるべき保険は?

まず、当然ですが保険には保険料がかかります。治療費や就業不能に備えるのも大事ですが、自分の収入に見合ったものを選びましょう。

よく「手取り収入の7~10%なら適正」といわれますが、社会人になったばかりの人と、ある程度責任も大きくなってきた人とでは、同じ割合である必然性がないという意見もあります。保険が日々の生活を圧迫してしまっていたら元も子もありません。自分が納得できる範囲を見極めましょう。

まずは医療保険を検討してみよう

私たちはすでに「健康保険」という保険に加入しています。健康保険とは加入者の医療費の負担を減らす制度で、病院で払う療養費の自己負担額が抑えられるほか、病気やケガで休業したときに支払われる「傷病手当金」や、出産に関する「出産手当金」「出産育児一時金」などの給付があります。

この保険料が毎月の給料から引かれているため、まったくの無保険状態ではありません。

その上で検討すべき保険として、まずは医療保険が挙げられるでしょう。医療保険は病気や怪我による入院や手術に対して給付されるものです。上記の健康保険でも手当は出ますがあくまで最低限の保障であり、実際にかかった金額をすべてまかなえるとは限りません。そのため、医療保険で保障を厚くしておくと安心です。

次に就業不能保険も考えよう

続いて考えたいのが、就業不能保険です。医療保険が短期のリスクに対応した保険であるのに対し、就業不能保険は長期間にわたって仕事ができない場合に備える保険です。大きな怪我や病気で働けなくなると、治療費がかかるだけでなく収入の不安も生じます。

だから就業不能保険の保障も、医療保険に加えて手厚く用意しておきましょう。健康保険にも傷病手当金という同様の給付がありますが、傷病手当金で支払われるのはおおよそ給料の3分の2程度のため、就業不能保険に加入しておくと安心です。