「博、毎週末こっちに帰ってきてるけど、大丈夫? こっちに来ても何もせずにダラダラしてるだけだから、綾乃さんが家事を全部してるんじゃないかって不安で……」と言われ、農業を手伝っていないことが判明したのです。

「なぜ、私と一緒に自宅で週末を過ごしてくれないんだろう。我が家は居心地が悪いのだろうか」と思った綾乃さん。

 勇気を出して、翌週、いつものように実家に行こうとする博さんを引き留め、「農業なんて手伝ってないんでしょ? お義母さんから聞いて知ってるよ! なんで、家で一緒に週末を過ごしてくれないの?」と抱えていた不満をぶつけました。

◆結婚から2年経っても実家の居心地の良さに甘える旦那

 すると、博さんは「嘘ついていて、ごめん」と謝り、本音を吐露。新しい暮らしが始まって、まだそれほど月日が経っていないからか、自宅にいても心が休まらず、実家の自室が恋しくなってしまったのだと打ち明けました。

「自分でもどうしていいのか分からない。こんなにも環境の変化に適応できない人間だとは思わなかった。もう少し経ったら、この家にも慣れることができると思うから、それまで待っていてほしい」

 そう言われ、綾乃さんは博さんの気持ちを優先することにしました。しかし、それから1年、2年と経っても、博さんの行動に変化はなく、今でも週末になると実家へ帰ってしまうそう。

「いい加減、新しい暮らしにも慣れただろって言いたくなります。それに年々、実家で過ごす時間が長くなっているんです」

◆まったく夫婦の時間が取れない現状が辛い日々

指輪を見る女性
「結婚当初は土曜の昼から行って夕方には帰ってきていましたが、今では土曜の朝から行き、日によっては『今日は実家に泊まるから』という連絡が来て、日曜の夜に帰ってきます」

 まったく夫婦の時間が取れない現状に、綾乃さんは虚しさを感じているそう。

 夫婦でどこかに出かけることも滅多になく、コミュニケーションも足りていないこの結婚生活に、なんの意味があるのかと最近よく考えるそうです。