いったい『コナン』と『金田一』はなぜこれほど差がついてしまったのだろうか。漫画誌編集者が言う。

「『金田一』は長編メインで犯人の悲しい動機や凄惨な描写が多く、読後感が重い。主人公はIQこそ高いもののスーパーマンではないですし、本格的ミステリー好きに特化しており、対象層が限定的となってしまった。一方、『コナン』はユーモアや爽快感を重視し、後味の良いエンタメ性が支持を得ています。主人公の万能設定、少年探偵団の活躍や恋愛要素、大胆なアクションシーンなど、多様な要素で多層的に楽しめます。『悪の秘密組織を倒して元の体に戻る』という目的もあり、強敵と対決するのも少年漫画らしい。先に連載開始して売れた『金田一』のような本格ミステリー路線ではなく、対象年齢を広げた、言わばバラエティ的な作品にしたことで、広範囲の年齢層に対応できているのが、劇場版の爆発的な数字に繋がっています」

 漫画史に残る傑作とも言える両作。『コナン』の新作映画によって『金田一』との人気格差はさらに広がることになるのだろうか。