ヴィレ全「ヴィレヴァンのお店も好きだし、置いてある商品も好きです。そして、僕自身が子どもの頃にヴィレヴァンと出会って救われたという思いがあります。田舎の出身なので、情報があまり入ってこない中で鬱屈(うっくつ)とした日々を送っていました。そんな中でヴィレヴァンは僕の好きなものに目覚めさせてくれたお店です」
――世の中にあるおもしろいものを教えてくれたお店だったんですね。
ヴィレ全「メインカルチャーになじめない中、15~16歳のときに近所のイオンにヴィレヴァンが入ったんです。そこで僕は初めてサブカルと出会いました。自分が好きなものがそこにあって、自分を受け入れてもらえる安心感がありました。初めて自分の好きなものに巡り合い、知らない世界と出会う喜びを感じ、自分は自分でいていいんだと思えたんです。ヴィレヴァンに自分を肯定してもらえた。
あの頃の僕は、本当にヴィレヴァンに救われていました。全国をまわって店舗の様子を発信しているのは、恩返しの気持ちもあります。一人で鬱屈としていた自分を救ってくれたヴィレヴァンに、少しでも何かできればいいなという思いです」
◆ノスタルジーに浸ったり、大人だからこその出合いを楽しんだり
――ヴィレヴァンは、ヴィレ全さんを肯定してくれた場所だったんですね。
ヴィレ全「はい。だからこそ、ヴィレヴァンの店舗閉店の話を聞くととても悲しいですし、自分に何かできることはないかなと考えます。僕以外にも、ヴィレヴァンに自分の好きなものを肯定してもらえた人はたくさんいると思うんです。そんな方には、ぜひまたヴィレヴァンに足を運んでもらいたいですね。
あの頃を思い出し、ノスタルジーに浸るのもいいですし、大人になった今だからこそ、新たな出合いを楽しむのもいいと思います。きっと、あの頃とは違った『好き』を見つけられるはずです」
◆「ヴィレヴァンは変わってしまった」と言うのはもったいない