「オタク=暗い」というイメージがあった時代はもう終わり!今の日本で周りを見渡してみれば、コスメに美容、歴史にDIYと、ゲームやアニメに限らず特定の分野にどっぷりとハマっている「オタク女子」が多いのです。単にトレンドを追うだけでなく、自分が本当に好きなものを思う存分に追求してみると、それがビジネスの芽につながることも少なくありません。自分の「好き」を仕事に変える、オタク女子のビジネス戦略をご提案します。

好きこそものの上手なれ。ビジネスにオタク気質は強み

好きなものに対しては思い切って、お金に糸目を付けないオタク女子たち。コスメに俳優、舞台にアニメ……どの分野のオタクであっても、欲しいものを我慢しない、あるいは我慢できない人も多いのではないでしょうか。

気になったモノ・コトは徹底的に調べ、実際に購入して試し、その感想をSNSでオタク仲間に共有して楽しむ。この一連の行動は、ビジネスにおいても大いに役立つスキルへと変化します。オタク気質を持つ女性が起業家になると、これらのスキルを次のように生かすことができます。

徹底的に調べることが当たり前なオタク女子には「リサーチ力」が備わっている

どのようなビジネスでも、リサーチ力は必要不可欠なスキルです。商品の開発、販売、さらには販売店舗の場所を決める際にもリサーチが重要です。

例えば、美容のオタク女子が「美白に強い美容皮膚クリニック」をリサーチするとき、利用者の口コミだけでなく、クリニックにあるマシンや施術内容、費用など、さまざまな面から検討するでしょう。この情報をまとめてWebサイトを作るだけでも、一つのビジネスが生まれます。

あるいは歴史、特に戦国武将好きなオタク女子が、お気に入りの武将の生い立ちのみならず、その時代や人々の暮らしなどに精通していれば、武将に関連するイベントやツアーを企画してビジネスに変えることも可能です。

「同じオタクの気持ちが分かる」実体験の市場調査が何よりの強みに

オタク女子だからこそ、その分野での「かゆいところに手が届く」商品やサービスを開発できるはずです。

「この商品は、実際に使ってみると広告と違ってこの部分が気に入った」「このサービスが心に響いた」、逆に「マイナスイメージにつながった」など、自分の体験をベースにこれから開発する商品・サービスの需要を掘り起こしたり、新たな販路を思いついたりすることもあるでしょう。市場や競合についての知見も深いため、オリジナリティーがあり、かつターゲットが求める商品・サービスを作れるのです。

感想の共有でコミュニティーを形成

SNSで簡単に他者とつながれる時代。SNSをビジネスに活用することは、すでに定石となっています。しかし、単に情報を発信するだけでは他者・他社と差異化できずに埋もれてしまいがちです。

そこで、「好きなものに対する感想の共有」と「共感」を活用し、コミュニティーを形成することで一定のファンを作り、独自の販売ルートを広げられるかもしれません。好意・親しみの感情を増大させ、顧客離れを防ぐマーケティング戦略を「インティマシー・ロックイン」と呼びます。

コスメに関するオタク女子なら、「しっくりくるコンシーラーが見つからない」ことをSNSに投稿して、同じ悩みを持つ女子たちと交流を深めながら、商品を開発するまでのストーリーを順次タイムラインにアップしていく……といった具合に活用すれば、大企業とは違う路線でファンを集められるでしょう。

このように、オタクのスキルはビジネスにも大いに役立てることができます。自分の好きなことを仕事にしたいオタク女子は、「オタク関連品の購入費用を投資に変える」起業家を目指してみましょう。