結果、STARTO社側は9日、チケットジャムの運営会社に対し、裁判手続きへの準備を進めていると発表した。徹底的に転売撲滅に向けて闘う姿勢を示したともいえる。もし裁判で「チケットの出品行為がコンサート主催会社に対する権利侵害に当たる」と判断されれば、転売サイトだけでなくSNSなどでの売買も撲滅できる可能性がある。

 Snow Manのラウールは9月に実施したインスタライブで、ファンからの「転売をなくしてほしい」という声を受け、「俺さ、システムあんま詳しくないんだけど、どうやってシメてく?アイツら」「(転売対策の)進歩はするから、絶対。あの人たちが痛い目を見る日はくるよ」「ずっと不条理なわけないよ」などと熱く語っていた。STARTO社が問題に本腰を入れたことで、ラウールの言葉が現実になったと喜んでいるファンもいるようだ。

 ただ、STARTO社側にも問題はある。転売がよくない行為なのは自明のことだが、ファンの間では「急用で行けなくなったときにチケットが無駄になるのはもったいない」「自分が行けないことで空席をつくりたくない」といった声がある。そうした問題に対して、旧ジャニーズから枝分かれした滝沢秀明氏の事務所「TOBE」では、公式リセールサービスを導入。不正な高額転売ではなく、適正価格でチケットを売買できる場をもうけているが、STARTO社には同様のサービスがない。

 転売サイトなどに対する発信者情報開示請求を進めると同時に、STARTO社は公式リセールサービスの構築などもしていくべきで、問題山積の状況だ。しかし、これまで野放しに近かった転売問題への対策が本格的に動き出したのは間違いなく、今後の展開に期待したい。