下瀬美術館の建築家・坂茂氏は、「下瀬美術館は瀬戸内海に面した約400メートル幅の美術館で、環境を最大限にいかしました。水に浮いて動くギャラリーや木造の建築など色々なイノベーティブなものが評価されたと考えています。自由に設計させていただいた初めてのチャンスで、下瀬ゆみ子館長をはじめ多くの関係者の皆様に感謝しております」とコメントしている。

また、下瀬美術館代表理事の吉村良介氏は、「(前略)坂先生にこの美術館の設計をお願いした際、先生は瀬戸内海の島々をご覧になられ、多島美を表現したいとおっしゃいました。そして、色とりどりのキューブで構成された『可動展示室』のイメージを見せていただきました。(中略)浮力の力で動かす仕組みの可動展示室の建設は困難を極めました。まずベースとなる下部の台船は造船所で細密に製作したものを台船クレーンで釣りあげたまま、海路より陸揚げし、上屋の部分は現地で建設いたしました。竣工前に水位を上げ、浮力実験を行った時に、約42トンもするキューブが浮き上がった瞬間、現場全員の喚起の声が上がりました。さらに移動を開始すると、一人の力でも動き、全員が驚いたことは今でも忘れません。(中略)今後も多くの方に訪れていただき、下瀬美術館並びに瀬戸内の多島美の美しさをご覧いただけると幸いです」とコメントした。

ユネスコ「世界で最も美しい美術館」最優秀賞のベルサイユ賞を受賞した下瀬美術館を、この機会にチェックしてみては。

■下瀬美術館|Simose Art Museum
住所:広島県大竹市晴海2丁目10-50
HP:https://simose-museum.jp

ベルサイユ賞HP:https://www.prix-versailles.com/2024

※ ノミネート施設:A4 Art Museum(中国)、Grand Egyptian Museum(エジプト)、Smritivan Earthquake Museum(インド)、Simose Art Museum/下瀬美術館(日本)、Paleis Het Loo(オランダ)、Oman Across Ages Museum(オマーン)、Polish History Museum(ポーランド)