テレビ誌ライターが後を引き継ぐ。

「大都市にある4社は地方局の中では比較的“体力”があるということで、ある意味、経営統合で済みますが、他の地方局に関しては将来的には子会社よりも規模の小さい“支局”のような扱いや、最悪の場合は統廃合の対象にもなりかねませんからね。例えば、九州を例にすると福岡放送以外の各県にある“支局”には撮影スタッフなど番組制作に最低限必要な人材だけを置いておき、編集業務などはすべて福岡放送に集約する。当然、総務や人事、経理、広報などの業務もしかりです。そうなると当然、各地方局で大規模なリストラなども敢行されることになるでしょう」(テレビ誌ライター)

 経営統合する4社のみならず、他の系列局は今後さらに深刻な状況に追い込まれる可能性が高いというのである。別の在京テレビキー局の局員はこう話す。

「地方局を束ねてHD化したということは近い将来、社員をHDに転籍させることができる。そこでの給与体系は今から自由に決められるので、間違いなく今より下がるだろう。賃金が下がれば優秀な人材が離れ、悪循環にハマってしまう。さらに、今回の日テレのHD化がある程度成功を収めたら、他の民放キー局にもその流れが飛び火するのは必定。経営状況が芳しくないフジテレビ系列あたりが真っ先に着手しそうだ」

 日テレ系列4社の経営統合はまさにテレビ業界の地盤沈下を象徴するような出来事と言えそうだが、果たしてテレビがかつての輝きを取り戻す日は来るのだろうか。