編集S 準々くらいならいいか、という感じですか?

新越谷 というか、やっぱり大会というのは「1位を争う」ものなわけで、ベスト30にストレートで入れなかった時点で、拾ってもらったらラッキーくらいの性質のものだと思うんです。

編集S 来年もこのままでいい?

新越谷 そう思いますよ。極端な話、乃木坂メンバーのユニットみたいなのが出てきて準々まで上がってこれるなら、そこで惨敗して組織票でワイルドカード勝っても全然文句ない。ただ、私は投票権があるならシンプルに「おもしろいコンビ」に入れるというだけです。

編集S ちなみに去年は誰に入れたかおぼえてます?

新越谷 覚えてない。だから、覚えてない程度のことなんですよ。当日がくるころには忘れちゃう。

編集S 素敵じゃないかに入れてました。

新越谷 ああ、そうだ。素敵じゃないかはいつくるんだ。

編集S 議論を呼ぶといえば、決勝9組に女性がいないことでまた構造的にどうだとかいう話も局地的に盛り上がっているようで。

新越谷 それはねえ、もう個別に見ようよとしか言えないですよ。天ピ、ヨネダ、オダウエダが圧倒的にイチウケなのに落ちてた、って話ならまだ議論になるけど、そういうわけでもないしなあ。

編集S 女性芸人は『M-1』の客にウケにくいという話もあるようです。そこは構造的な問題なのでは?

新越谷 それは今の『M-1』の構造ではあるけど、お笑いや芸能の構造の話ではないですよね。『M-1』でダメでもハインリッヒみたいにブランディングできる人もいるし、やす子やぼる塾みたいにバラエティにフィックスすれば一足飛びに素敵じゃないかの何十倍も稼ぐわけで。「『M-1』=お笑い界」みたいにとらえる必要はないでしょう。その中で『M-1』で勝負したいなら、『M-1』の客を笑わせるしかないわけで。

編集S それはそう。

新越谷 むしろダブルヒガシが西の『ABC』では令和ロマンを倒したのに、『M-1』に来ると準決にも残れないことだって『M-1』の構造的な問題ではあると思うし。審査は可能な限りフェアにやってると思いますよ。