その後は、その時々に起きた霊異譚(れいいたん)によって名を変えながら、所持者を勝利に導く存在として源氏に代々受け継がれた。大覚寺は平安時代前期に離宮から寺院となった寺だが、その際、菅原道真(菅公)が尽力したことが記録に残っている。

そのため、境内には菅公を祀る社があり、北野天満宮と長年にわたり交流を続けていることから、このたびの展示が叶ったそう。

東京初、同一のケース内での展示

同展では、「太刀 銘 □忠(名物 薄緑〈膝丸〉)」と「太刀 銘 安綱(名物 鬼切丸〈髭切〉)」を同一のケース内で展示する。


「太刀 銘 □忠(名物 薄緑〈膝丸〉)」は、源満仲、頼光、義経など、清和源氏に代々受け継がれた、「薄緑」および「膝丸」の伝承をもつ太刀。

源満仲は、平安時代中期の武士で藤原摂関家と強く結び付いて、清和源氏発展の基礎を固めた。長大で力強い刀身に細やかに乱れた刃文を焼入れており、鎌倉時代初期の備前刀の作風が認められる。


「太刀 銘 安綱(名物 鬼切丸〈髭切〉)」は、源満仲から頼朝に至る源氏の重宝「鬼切丸」および「髭切」の伝承をもつ太刀。

鎌倉幕府滅亡に際し新田義貞が手に入れ、さらに義貞を討った斯波高経の手に渡り、その子孫の最上家が継承したと伝わっている。刀身は身幅やや狭く中反りの優美な太刀姿を示し、平安時代末期から鎌倉時代の特徴を備えている。

「刀剣プレミアムナイトが開催

「太刀 銘 □忠(名物 薄緑〈膝丸〉)」と「太刀 銘 安綱(名物 鬼切丸〈髭切〉)」の同一ケース内展示決定を記念して、「刀剣プレミアムナイト」を開催する。

東京国立博物館 佐藤寛介特別展室長によるレクチャーへの参加&同展図録がセットになった、お得なチケットを販売予定だ。

開催日時は、1月25日(土)午後6時~9時となり、研究員によるレクチャー後は自由に観覧できる。また、「刀剣プレミアムナイト」参加者のみ特別に刀剣の撮影が可能だ。

「旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-」で、貴重な2刀を鑑賞してみては。