――正直、それは考えるものがありますね。仮に自分が夫になる立場で想像しても、躊躇してしまいそうな格差です。高峰秀子さんの懐の深さがよくわかります。
斎藤:ちなみに昭和20年代の25歳~29歳の男性の平均年収は約370万円だったそうなので、やはり結婚する前の松山の年収は平均よりかなり下回っています。そして、当時の25~29歳の働く女性の平均年収は約354万円だったことを考えると、高峰はその20倍近く稼いでいたわけです。
◆「超格差婚」のその後は…
――まさに大スターと、シンデレラ・ボーイですね。
斎藤:収入以外の項目について2人の比較は、拙著『ふたり~救われた女と救った男』に掲載した比較表をご覧ください。
――はい。比較表、すごく興味深いです。ところで結婚当初、大変な格差があったことは分かりました。その後の格差婚の結末はどうだったのでしょうか? 高峰さんは幸せになったのでしょうか。
斎藤:さて、どうなったか? それは「ふたり」を読んでください。
――ありがとうございます。このお話を踏まえて、ページをめくるのが楽しみです。最後に「ふたり」を近くで見てきた斎藤さんが、いまひとつだけ伝えたいことがあるとしたら?
斎藤:愛情とは瞬発的なものではなく、持続できるかどうかにその真価がある。そして愛情とは理解と尊敬だと思います。
――本日は貴重なお話をありがとうございます。なんだか元気をいただきました。
【斎藤 明美(さいとう・あけみ)】