もう1つはネタ帳代わりです。猫がやったことや、思いついたセリフを書き留めておくこともあります。以前、キジネコ様が庭先で野生のトカゲを捕った旨の文章のみで投稿したんです。すると、それに対して何件か攻撃的なコメントがありまして……。

 だから、猫の狩りを漫画にしたときは、ゴキブリに置き換えました。読者の反応を見られると、漫画に生かせることもありますね。

◆「漫画を読むのも好き」だからこそ増やした描きおろしページ

うぐいす 歌子『今日もネコ様の圧が強い』KADOKAWA
うぐいす 歌子『今日もネコ様の圧が強い』KADOKAWA
――2025年1月8日発売予定の『今日もネコ様の圧が強い』の発売の経緯も気になります。

うぐいす:猫の漫画をSNSに5件くらい投稿したくらいのタイミングで、KADOKAWAの編集者さんから「出版は確約できないけど、どうですか?」とお声掛けいただきました。

 他社から別件で書籍化のお声掛けをいただき、実現しなかったという経験をし過ぎていて、今回の書籍化の話をいただいたときは期待していませんでした。今も、「出版日までは信じないぞ!」と思っています(笑)

――描きおろしページの内容を少しだけ教えてもらえますか?

うぐいす:内容は144ページということは決まっていました。描きおろしのページ数を編集者さんから相談されたとき、「頑張って50ページくらい描きます」と返事をしたんですけど、気付いたら70ページも描いていました。

 私は漫画を読むのも大好きで、読者目線で考えたときに、書きおろしが少ないと、喜んでもらえないかと思ったんです。

 描きおろしの中で一番長い話は17ページあります。普段は猫目線ですが、それは人間視点になっています。内容は少しホロっとするような内容でしょうか。

◆読んでいる間だけでも楽しい気持ちになってほしい

――漫画の読者に向けてのメッセージをお願いします。

うぐいす:今、世の中にはつらいことがたくさんありますよね。漫画を描く際にずっと考え続けているのが、「私の作品を読んでいる間くらいは、つらいことを忘れられれば」ということです。