さて、このところパンについての「不祥事」が多発している。
続けて2本。1本は、新潮が連続追及しているパン業界のガリバー「山崎製パン」の第3弾。
今週も「山崎製パン」という会社がどれほどブラックかという「証言」が盛りだくさんだ。
デイリー新潮(2024年05月16日)から引用してみたい。
「『山パンが超ブラック企業なのは間違いありません。働いていた時に自分や仲間の間でよくあったのが、ケガをしていても休めないことでした』
そう話すのは、横浜第二工場で長らくセールスドライバーを務めていた男性である。
『自分の例としては、トラックの荷台から落ちて肋骨を3本折った時、全治2カ月だったのですが、1カ月で出社しろ、と言われました。また、車で通勤中に追突されたので上司に連絡して“警察呼びます”と言ったら、“いや、そのまま出勤してくれ”と命じられたこともあります』
他にも、
『股関節に痛みがあったのに無理やり出勤させられ、仕事中、あまりに痛いので病院に行ったら大腿骨が折れていた、という人がいました。あと、坂で停めていたトラックが動いてしまい、ひかれて足を骨折した人の場合、代わりのドライバーは用意してもらえたものの、“道が分かるお前も乗ってろ”と上司に言われ、骨が折れているのに助手席に乗ってその日の配送が終わるまで働かされていました』」
そうした環境で働かされているためか、横浜第二工場では死亡事故も起きていたという。
「『2010~12年ごろにはドライバーが死亡事故を起こしたこともありました。配送中に前方不注意で原付バイクをはねてしまったのですが、原因は居眠り運転だったはずです』(同)
子会社の現役セールスドライバーに聞いても、
『ウチも慢性的な人手不足です。直近では、ドライバーで新型コロナにかかった2名と、靭帯損傷1名が強制出勤させられています』
と、こう語る。
『靭帯損傷の人は1カ月は休まないといけないのに2週間程度で無理やり出勤させられていました。コロナの人は4~5日休んで、まだ体調が悪いのに“人がいないから出てくれ”と言われて出てきていました。普段は“無理するな”とか“安全第一”と言うのに、いざ何か起こると“みんな無理して出てきているんだから出てこい”と命じてくるのです』」
こうした批判に「山崎製パン」側はどう答えるのか。
横浜第二工場での死亡事故について広報部門の担当者に聞いてみると、
「私どもとしては10年以上前のことを引っ張り出してきて、それを報道することには反対ですので、コメントはいたしかねます」
と、事故については否定しなかったが、木で鼻を括ったというべき答えだったという。
10年以上前だから答えないというのは、広報のあるべき姿ではない。事実を認め、そうしたことのないよう現在行っている対策について説明すべきであろう。
気に食わない週刊誌だから答えないでは、広報の役割否定といわれても仕方ない。こうした対応を見ていると、山崎製パンのパンを買おうという人間を確実に減らしていることは間違いない。
驕る山崎製パンは久しからずである。