物議を醸している原因は、細木さんの“ダークサイド”にある。細木さんについては、ノンフィクション作家の溝口敦氏が「週刊現代」(講談社)の連載『細木数子 魔女の履歴書』の中で、暴力団との深い関係や過去の売春あっせん、占いの盗作疑惑などを告発。その影響なのか、細木さんはまだ人気が衰えていなかった2008年ごろにテレビなどの表舞台から急に遠ざかった。
また、細木さんが「買わなければ不幸になる」などと相談者に購入を勧めていた墓について、「不当に高額な墓石を買わされた」として損害賠償を求める訴訟が全国で起きるなど、霊感商法まがいのビジネスに関わっていたとの疑惑もある。さらに、陽明学者の安岡正篤氏との結婚についてもさまざまな疑惑がある。
地上波より制約の緩いNetflixなら、これらもドラマに盛り込むことは不可能ではないだろうが、今作は実際の事件をモチーフにしたフィクションである『地面師たち』などと異なり、細木さんの生涯を実名でドラマ化するとみられる。そうなると遺族や関係者らの許諾と協力が必要になるとみられ、あまりダークサイトは描けないのではないかと指摘されており、それが「必要以上に美化されてしまうのでは」という懸念につながっているようだ。
今作は戸田の復帰作としても注目を集めそうだが、ドラマ化の是非については今後も物議を醸しそうだ。