日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、岩手県旧東和町(花巻市)を写真とともに紹介する。
Vol.350/岩手県旧東和町(花巻市)
旧沢内村から、花巻市の旧東和町へ向かう。旧沢内村からは60km以上の距離があった。車移動の60kmならば大したことないかもしれないけれど、スーパーカブで60kmを一気に移動するには、ちょっと深呼吸したくなる。20kmずつ移動しての60kmならば楽だが、一気に60kmを走ると非常に長く感じるのだ。
そして、旧東和町の市街地の土沢は、三陸海岸と内陸部を結ぶ釜石街道の宿駅として栄えたまちだ。土沢商店街には万国旗が飾られていて、お祭りの時期なのか赤い提灯も並び、とても明るく懐かしい雰囲気だった。
また、今回は萬鉄五郎(よろず てつごろう)記念美術館を訪れた。旧東和町に生まれた萬鉄五郎は、日本近代美術の先駆者と言われている。
萬さんの展示もとても良かったけれど、訪れた時期は「安野光雅」さんという方の大規模な展示が行われていた。画家・絵本作家・装丁家と、さまざまな分野で活躍された方で、2020年に亡くられている。