その後、専門学校では生徒同士が病院に勤める栄養士と入院患者の役に分かれて、カウンセリングのシミュレーションを行うシーンもありました。ここで、患者役のモリモリ(小手伸也)がいきなり役者魂を発揮して横暴なモンスターペイシェントを熱演するところも楽しかったです。あれ、今日は2つもいいシーンがあるぞ。
あと、意味不明なまでに米田家に当たり散らすマキちゃんパパ(緒形直人)が、結パパが靴屋に置いてきた野菜をわざわざ返しに来たシーンもよかったと思うんだよな。捨てりゃいいのに、わざわざ持ってくるということは、この人、こんな感じでも「関わりたい」とは思ってるんだ、ホントは寂しいんだ、ということが伝わってきました。これはもしかしたら穿ちすぎで、そんな深みを描く意図はなかったかもしれないけど。
そのほか、翔也は結ちゃんの作った献立を律義に守って空腹に苛まれ、サッチンは過去に入院していたという情報を披露し、カスミンは家出してきました。このへんは次回以降のネタ振りですね。ちょっと保留しておきましょう。
ともあれ、悪くなかった、今日の『おむすび』。
■なぜ悪くなかったかという絶望的な問い
なぜ悪くなかったか考えてみると、絶望しちゃうんだよな。
要するに今回、主人公の結が何もしてないし、何も言ってない。周囲の状況に対するリアクターに徹している回だったんですよね。自発的な行動がゼロ。マジで、結ちゃんが自分で決めて起こした行動は「最初にウニ食う」くらいしかない。
主人公が何もしなければいい感じ、何かするとイヤな感じになるという、今朝の回に対する「悪くない」という感触が『おむすび』という作品の絶望的な状況を逆説的に露呈させているという、そんな感じになりました。
明日は何かするのかな、何もしないと平和なんだけどな。
(文=どらまっ子AKIちゃん)