仏壇・仏具・位牌の製造販売を手掛けるアルテマイスター「保志」が運営する「厨子屋 銀座本店」は、12月7日(土)~2025年1月23日(木)の期間、石川県在住の漆工芸作家・藤野征一郎氏の個展「祈りのかたち 藤野征一郎 漆芸展」を開催する。
藤野征一郎氏について
藤野征一郎氏は、1972年滋賀県生まれ。金沢美術工芸大学修士課程と金沢卯辰山工芸工房を修了し、2000年から個展を中心に活動を始める。
主な受賞は、第45回日本クラフト展日本クラフト大賞、国際漆展・石川2020奨励賞など。近年は、Galerie Marianne Heller(ドイツ)、伊丹市立工芸センターなどで展示に参加。2022年Victoria & Albert Museumに作品収蔵され、2023年ドイツのMuseum für Lackkunstにて展覧会に参加している。
回出位牌や厨子など約30作品が登場
素材の持つ力を大切にし、質感や造形表現を深く追求し続ける同氏の漆芸作品は、引き込まれるような奥深さと幽玄さが魅力だ。
「祈りのかたち 藤野征一郎 漆芸展」では、数年前からのテーマとして温めていたという位牌に挑戦。なかでも注力したのが回出位牌だという。同展では、自由で柔軟な発想による藤野征一郎氏らしい回出位牌が並ぶ。
なお、回出位牌とは位牌の一種。亡くなった人の戒名などを記した札板を複数枚入れられる位牌のことだ。
回出位牌「つばさ」や、
厨子「棚厨子」、
扉を外した「棚厨子」の中に置かれた、新作位牌「蓮2」、
蓋物「借景 赤」が展示される。入場は無料。12月7日(土)は藤野征一郎氏が在廊する。
同氏は、「今回は初となる回出位牌を発表いたします。制作を進める過程で、全く知らなかった、この「仏具」の理解が深まっていくことを感じ、祈りとは特別なことであると同時にあたりまえの事である、と改めて気付かされました。どうぞご高覧くださいますようお願い申し上げます」とコメントを寄せた。