ちなみに、『THE MC3』と他番組との類似性について、東野は自身のラジオ番組『東野幸治のホンモノラジオ』(ABCラジオ)で自虐的にイジっており、必ずしも後ろ暗い“パクリ”ということでもなさそうだ。さらに、この3人だからこそ“よくある企画”になったという意見もある。数多くのバラエティ番組をチェックしているエンタメウォッチャーの大塚ナギサ氏はこう話す。
「地上波バラエティでは“企画ありき”ではなく、“出演者ありき”で番組が製作されることは珍しくありません。まずは“誰をメインにして番組を作るか”というところから始まり、そこから企画を考えていくことも多い。この『THE MC3』は番組名からも分かる通り、完全に3人のMCありき。
知名度も人気も実力もある3人が、毎回さまざまなゲストとトークをするわけですから、それだけでも何かしらおもしろい話が飛び出ます。豪華MCたちの“素材”と“素材同士の化学反応”を見せたいのであれば、ざっくりとした“よくある企画”のほうがむしろ計算できる側面もあると思います」
期待されていたものの1年で終了した『ジョンソン』の後番組だということも、『THE MC3』の企画に関係している。
「『ジョンソン』は勢いのある若手芸人をメインに起用し、毎回いろいろな企画を行うというものでした。“お笑い要素”が高い企画がほとんどでしたが、残念ながらふるわなかった。『THE MC3』では同じような展開にならないように、保守的な企画になっているのは否めません。仮にこの3人で斬新な企画の番組をやってコケたら、それこそダメージが大きくなる。豪華な3人だからこそ安全策を採用、裏を返せば安全策で成立するのは大物だけということでもある」(大塚氏)
安全第一で“よくある企画”から始まった『THE MC3』だが、今後まったく異なる内容に変化していく可能性もある。
「スタジオコントをメインとして始まった『新しいカギ』(フジテレビ系)が、“学校ロケ”の企画で大ブレイクし、そちらに大きく方向転換したように、ヒット企画が後から生まれるというパターンも多い。『THE MC3』については、基本的にざっくりした内容なので、これからいろいろな方向に進んでいけると思います。そういった可能性を残しておくという意味でも、“よくある企画”での滑り出しは必ずしも悪いことばかりではないと思います。それまで続けばの話ですが」(大塚氏)