民放ラジオ局トップが注目の発言だ。
ニッポン放送の檜原麻希社長が11月13日、定例会見の中で同局の看板番組『ショウアップナイター』について「できる限り続けていきたい」と見通しを語った。
ナイター中継といえば、かつてはAMラジオ局で“ドル箱コンテンツ”として君臨していた。ところが「今はまったく事情が違う」と語るのはさる在京ラジオ局制作スタッフだ。
「聴取率の低迷から民放ラジオ局は広告媒体としてナショナルクライアントから見放されてしまい、全国ネット中継のカードでも、特に地方局にはスポンサーによるCMが付きにくくなった。そのためナイター中継を取りやめて、著名人による冠番組といった収録番組や、すでにナイター中継から撤退しているTBSラジオが制作する『荻上チキ・Session』といったワイド番組を放送する局が増加している。熱戦が繰り広げられたソフトバンク対DeNAの日本シリーズも首都圏、大阪圏、福岡圏の三エリアは中継を放送しましたが、他エリアは軒並み見送り。今後もこの傾向は続くと思います」
実際ニッポン放送はセ・リーグのクライマックスシリーズ、日本シリーズを立て続けに放送した。ただ日本シリーズは福岡開催の3試合はいずれも地元局RKBラジオの中継をそのまま丸受けしてリポーターも現地派遣せずノータッチだった。
「今月末に侍ジャパンの試合『ラグザスpresents 第3回WBSCプレミア12』のうち、東京ドーム開催のスーパーラウンド3試合を中継するため、高額な放映料を確保すべく経費節減を余儀なくされたのが主な要因だとか。今後も関東圏のセ・パ5球団が絡まない日本シリーズは地元局の中継をそのまま流すことになりそうです。昨春のWBCも準決勝、決勝の中継こそしましたがマイアミにスタッフを派遣せず。今春、韓国でのメジャーリーグ開幕戦も同じく中継しましたが、有楽町のスタジオから映像を見ながらのオフチューブ形式の中継でした。昔では考えられないことです」(同)