そうした背景からネット上では「Bling-Bang-Bang-Born」優勢の声が多いようだが、業界内では「ライラックになる可能性も十分ある」と指摘されている。その理由の一つとして挙げられているのが、特定のレコード会社との結びつきが選考に影響しているという説だ。
昨年の「レコード大賞」は、世界的にヒットしたYOASOBI「アイドル」が大賞間違いなしといわれていたが、なぜか大賞候補となる優秀作品賞にノミネートすらされず、特別国際音楽賞と作曲賞に選ばれるにとどまった。当日会場に来れないので大賞候補から外れたとの見方もあったが、映像での受賞コメントはあったため、もし大賞受賞となれば生歌唱はあり得そうだった。そのため、候補から除外された要因として「所属レコード会社の問題」が浮上したようだ。
YOASOBIが所属するソニーミュージック系列は「レコ大」との縁が深かったのだが、2020年にLiSAが「炎」で大賞を受賞したのを最後に関係が冷え込んだといわれる。その代わりに一昨年の大賞にSEKAI NO OWARIの「Habit」、昨年の大賞にMrs.GREEN APPLEの「ケセラセラ」が選ばれるなど、ユニバーサルミュージック系のアーティストが優遇されるようになった。
Creepy Nutsはソニーミュージック系であるため、大賞に選ばれないのではないかと推察する見方があるようだ。Creepy Nutsは今回の「レコ大」で優秀作品賞だけでなく「特別賞」も受賞しているが、そういう観点でいえば意味深だ。
実際に「レコード会社との関係」で受賞作が決まるようなことはあるのか。久々に「どちらが大賞になるのか」と世間の関心を引きそうなノミネート作がそろったのだが、業界の論理で大賞が選ばれるようなことがあれば、世間の「レコ大離れ」がより進んでしまいそうだが……。