今週は、文藝春秋5月号が再び火をつけた小池百合子都知事のカイロ大学卒業疑惑が話題だ。

 以前、二期目を目指す小池百合子都知事が大ピンチを迎えたことがあった。

 2000年5月下旬にノンフィクション作家の石井妙子が『女帝 小池百合子』(文藝春秋)を上梓し、その中で小池のかつてのカイロ時代の同居人が、小池のカイロ大学主席卒業は作り話だと告発したのである。

 これが大反響を呼び、都議会でも自民党や共産党が「小池百合子都知事のカイロ大学卒業証書・卒業証明書の提出に関する決議案」を提出し、大騒ぎになった。

 だが、駐日エジプト大使館が突然、フェイスブック上でカイロ大学長名の声明を英語と日本語で公表したのである。

 そこには、

「カイロ大学は、1952年生まれのコイケユリコ氏が、1976年10月にカイロ大学文学部社会学科を卒業したことを証明する。卒業証書はカイロ大学の正式な手続きにより発行された」

 とあり、日本のジャーナリストがたびたびこれについて疑義を呈し、信ぴょう性に疑問を抱いているが、これはカイロ大学および、カイロ大学卒業生への名誉棄損であると警告。これが続くようならエジプトの法令に則り適切な対抗手段を講じるとしたのだ。

 公式なHPでの発信ではなく、SNSでの発信、しかも日本語と英語だけで、アラビア語は載っていないというやや不可思議なものだったが、事態を鎮静する効果は絶大だった。

 結局、都知事選に自民党は対抗馬を立てず、366万票という得票を得て小池は圧勝したのである。

 この問題はこれで決着がついたと思われていた。

 だが、三選を目指すだけではなく、あわよくば衆院選に出て当選して自民党総裁選に出馬するのではないかと囁かれている今、小池百合子の元側近で、都民ファーストの会の元事務総長だった小島敏郎が、「私は、学歴詐称工作に加担してしまった」と告白。

 もし次の都知事選に出馬するのなら、学歴詐称の公選法違反で刑事告発すると語ったのである。

 小池と親しいといわれる二階俊博元幹事長が引退を表明したこのタイミングで、こうした告発が出るというのは、何か仕組まれているような気もしないではないが、どちらにしても、小池百合子都知事は、この問題を避けて通るわけにはいくまい。

 これについては、後で詳しく触れたい。