◆保育士として初めて一人担任を持つことに

 奈美さんは大学卒業後に都内の保育園で保育士として働き始めました。そして、保育士として4年目ではじめて3歳児クラスで一人担任を任されることになります。

「それまでは乳児クラスだったので、担任が複数人でした。年少さん以上は一人担任なので、私にもついに幼児クラスで一人担任する役目が回ってきたのだと、クラスがスタートした春は緊張と使命感でいっぱいでしたね」

 進級の前に、クラスの子どもたちの氏名やアレルギーの有無、家庭環境などを確認した奈美さん。その時に気になったのが、父子家庭であるAさん親子のことだったそうです。

「事情は分かりませんがAさんは子どもが1歳の時に離婚していました。ひとり親家庭であるAさんとはしっかりコミュニケーションを取らなければと思いましたね」

 Aさんが送迎に来る時には奈美さんは担任として、なるべく子どもの様子や変化を伝えてコミュニケーションをとっていったそうです。