日本を代表する小説家出ある東野圭吾の同名小説を原作とし制作された「人魚の眠る家」は、大人気女優の篠原涼子を主演に迎えて大ヒットを収めた2018年公開の日本映画です。
今回はこの「人魚の眠る家」の魅力について、たっぷりとご紹介いたします。作品の概要・あらすじから登場人物の相関図までたっぷり解説していきます。視聴済みの方も未視聴の方も必見の内容になっているので、是非最後までじっくりご覧ください。
「人魚の眠る家」はどんな作品?
大人気ミステリー作家である東野圭吾の30周年記念作品として刊行された同名小説「人魚の眠る家」を原作として製作されたこの映画は、2018年に篠原涼子を主演に迎えて公開しています。
主演を始め脇を固める俳優たちも非常に豪華なキャスティングとなっており、西島秀俊・坂口健太郎・川栄李奈・松坂慶子などそうそうたる面々が集結していることでも話題になりました。日本国内における観客動員数は66万人、興行収入は10億円となっています。
映画の監督は堤幸彦監督
「人魚の眠る家」の映画化に際してメガホンを取ったのは、大ヒット映画「20世紀少年」や人気テレビドラマ「金田一少年の事件簿シリーズ」などを手がけている堤幸彦監督です。
原作者出会えう東野自身もあまりのテーマの重たさと複雑さに映像化は敬遠される作品であると語っていた「人魚の眠る家」の実写化でしたが、地道な下準備と取材を重ね見事に完成させました。
デビュー作のようでもあり集大成のような作品でもあると語っていることからもわかるように、作品の制作には並々ならぬ想いと覚悟を持って取り組んでいたことが伺えます。
映画「人魚の眠る家」のあらすじは?
物語の主人公である播磨薫子は、夫の浮気が原因で2人の子供を抱えたまま別居生活を送っていました。娘である瑞穂の小学校受験が終わり次第離婚しようと考えていたところ、家族を大きな悲劇が襲います。
祖母と美晴に連れられて行ったプールで瑞穂が溺れてしまうのです。救急車で病院に運ばれ集中治療室で緊急手術を受ける瑞穂ですが、無事心臓は動き出したものの脳に負った大きな損傷が原因で植物状態になってしまいます。
一度は脳死を受け入れ娘の臓器提供に応じようとした薫子でしたが、直前になって意を翻し娘の治療を続行する道を選ぶのです。しかしこの決断が次第に家族の間の大きな溝となり、播磨家をさらに大きな悲劇の渦へと落とし込んでいくことになります。
横隔膜ペースメーカーを瑞穂の体に埋め込み、人工呼吸器を外したところから薫子は次第に瑞穂の介護へ異様なほど傾倒していきます。瑞穂が生きていると信じている薫子は、脊髄に電流を流し瑞穂の体を動かすことができるという新しい装置に手を出すのです。
脳が死んでいる状態のまま筋肉だけが発達し、徐々に体が成長していく瑞穂の姿をみて喜ぶ薫子と星野を反対に、周囲は2人の思いが次第に行き過ぎていることに苦悩を感じ始めます。家族の間に亀裂が生じ始め、薫子は瑞穂の今後の行方について再び決断を迫られることになるのです。
映画「人魚の眠る家」キャスト一覧
「人魚の眠る家」は豪華なキャスティングでも注目を浴びた映画です。ここからは作品を一層盛り上げた実力溢れる俳優陣をご紹介していきます。
人魚の眠る家キャスト①播磨薫子(篠原涼子)
映画の主人公である播磨薫子役には、女優の篠原涼子が抜擢されました。愛情深く娘を守ろうとする母親の強さと脆さを全身全霊で演じきった圧倒的な芝居力が高く評価されています。
ある意味狂気のようにも映る娘への強烈な思いがスクリーンからもひしひしと伝わり、彼女の演技力がこれまで以上に光っているのが見どころです。インタビューでは実際に子を持つ母親として薫子の心を繊細に表現することを意識して作品に挑んだことを語っています。
人魚の眠る家キャスト②播磨和昌(西島秀俊)
薫子の夫である和昌役を演じたのは、幅広い役柄を演じ分ける実力派俳優の西島秀俊です。娘への愛情と執着に取り憑かれていく薫子のそばで彼女を支えながらも、理性と感情の狭間で苦悩する繊細な役柄を見事に演じきっています。
人魚の眠る家キャスト③播磨瑞穂(稲垣来泉)
薫子と和昌の娘役播磨瑞穂には、子役の稲垣来泉が抜擢されました。不慮の事故がきっかけで幼いながらも脳死状態となってしまう難しい役どころを、わずか8歳の少女が演じています。
4歳で俳優としてのキャリアをスタートさせている彼女ですが、オーディションの結果この配役には監督・プロデューサーらの満場一致で出演が決まったそうです。タイトルにもなっている人魚を思わせるような透明感がスクリーン上でも光っています。
人魚の眠る家キャスト④星野祐也(坂口健太郎)
物語のキーパーソンとして重要な役どころを担っているのは、星野祐也役の坂口健太郎です。和昌の会社の研究員として勤務している祐也は、和昌から研究の内容を娘の治療に役立てることはできないかと相談を持ちかけられます。
その結果自分のプライベートを投げ捨てて、播磨家の治療に尽力していきます。薫子のよき理解者として瑞穂の治療に力を作りながらも彼女とともに狂気じみた闇の中へのめり込んで行ってしまう複雑な役どころを、若手イケメン俳優・モデルとして人気を博している彼が演じました。
人魚の眠る家キャスト⑤川嶋真緒(川栄李奈)
祐也の恋人である川嶋真緒役には、元AKB48の川栄李奈がキャスティングされています。近々結婚を考えている間柄の祐也が、自分との未来そっちのけで研究にのめり込んでいく姿を心配しながら見守る彼女という役どころです。
川栄李奈はAKB48卒業後ドラマ・映画・舞台と活動の場を演技の世界へ移し、様々な活躍を通してその演技力の高さが評価されています。普段の明るく可愛らしい愛嬌のあるイメージとは裏腹に、本作では非常にシリアスな表情を見せてくれています。
人魚の眠る家キャスト⑥美晴(山口紗弥加)
薫子の2歳年下の妹である美晴役を演じているのが、女優の山口紗弥加です。自身も幼い娘を育てながら、瑞穂の介護に勤しむ薫子を複雑な心境でもサポートしようと尽くす健気な妹として登場しています。
人魚の眠る家キャスト⑦千鶴子(松坂慶子)
薫子と美晴の母親であり瑞穂の祖母である千鶴子役は、ベテラン女優の松坂慶子が演じています。瑞穂が事故に遭った時薫子から預かっていたのが自分であったことから非常に深い罪悪感を抱いており、なんとかして瑞穂の命を救いたいと願っています。
薫子の行動に対して周りが否定的な視線を向ける中、唯一肯定的な立場で見守る千鶴子の姿勢からは、薫子と瑞穂に対する申し訳なさと罪滅ぼしの気持ちが汲み取れます。
人魚の眠る家キャスト⑧多津朗(田中泯)
和昌の父であり瑞穂の祖父である多津朗役を演じているのが田中泯です。瑞穂の悲劇に心痛を抱えつつも、何もすることができず苦悩している祖父の役を繊細に案じています。