comorebi farmは、2024年2月に広島県尾道市因島に農家民宿「comorebi beach house」をグランドオープンする。それに先がけ、10月よりリノベーション支援者の受け入れを開始した。

より多くの人に農業の楽しさを伝える

同社は広島県尾道市因島にて、2021年より耕作放棄地となった柑橘農園を再生させ、現在は果実の販売に加え、果汁100%ジュース「HASSAKU SHOT」とリフレッシュドリンク「ISLANDER」の販売を行っている。そのかたわら、柑橘の収穫を楽しめるファームツアーも提供してきた。


昨年度のファームツアー参加者は117名。東京23区に居住する参加者の割合はおよそ85%。

ファームツアー中の参加者からの質問のほとんどは「農家としての暮らし」に関するもの。これは同社を運営するメンバーが新規就農していることも影響しているが、農家と触れ合う機会が少ないが故の質問であることも、参加者との会話を通して分かってきた。そして、彼らは可能であれば農家の暮らしを体験してみたいと考えていることも明らかとなった。

そこで、comorebi farmとして農家民宿を開業することで、このニーズを満たしつつ、より気軽に農業を体験してもらい、より多くの人に農業の楽しさを伝えようと考えている。

周辺の島々の中でハブのような機能を果たす

また参加者は“島遊びの拠点となるような宿泊施設が欲しい”という要望も口にしていた。因島は、しまなみ海道の通る島で本州と四国からのアクセスが良く、簡単に他の島々へと移動することができる。

加えて、橋のつながっていない離島へのフェリーも多く運行しており、周辺の島々の中でもハブのような機能を果たしているため、このニーズも同社の農家民宿は満たせると考えている。

農家民宿を通して社会に伝えたいこと


comorebi farmは企業のミッションとして、“農業の楽しさを広め、後継者問題を解決する”ということを掲げている。

背景には、尾道市全体の農業人口に占める60歳〜99歳の割合が93.7%(70歳〜99歳は71.5%)で、因島で5年以内に農業を引き継ぐ後継者を確保しているのは約9.6%しかいないという現状がある(※)。

農業は大変なこともたくさんあるが、それ以上に楽しいことが多くあると考えており、こうした想いを知ってもらう場所としても、移住者や新規就農者を増やすためのきっかけを提供する場所としても、農家民宿は機能するとcomorebi farmは信じている。