「息子は昼近くまで寝ていて、カーテンがぴっちり閉まってて真っ暗だったんですよ。なので、手探りでTシャツを取って借りることにしました」
ちょうど小夜子さんの体型にジャストフィットしたそうで、意気揚々と出かけました。
◆すれ違う人にヒソヒソされる
お目当てだった道産グルメもゲットして、専門店をブラブラとしながらウィンドウショッピングを楽しんでいました。しかし、あるときなにやら周囲の反応がおかしいことに気が付きます。
「店員さんが笑いをこらえるような苦しそうな顔つきをしているんです。それに、すれ違う人に指さされていたり、ヒソヒソと耳打ちしている様子が妙に目に付いたんです」
◆Tシャツの背中に文字が書いてあった!
なにかがおかしい、と思った小夜子さんですが、とくに思い当たる節がないので、気にしないようにしていたようです。すると、五十代ぐらいのスーツを着た紳士がそっと近づいてきて、耳元でそっと「そのTシャツ、やばくないですか?」とささやきます。
「いったいどういうことだろうと同じフロアのトイレに向かいました。そしたらもうびっくり! てっきり無地だと思っていた息子のTシャツの背中に、言葉にするのもはばかられるほどの卑猥(ひわい)な単語がでっかくプリントされていたんですよ!」
◆カニ歩きしながらユニクロへ
息子の部屋がカーテンがぴっちり閉められていてよく見ないで取ってしまったために、まったく気が付かなかったそうです。
「もうね、昔からおっちょこちょいなところがあるんですよ、私って」
そのことに気が付いてからは、壁に背を向けてカニ歩きをしながら別のフロアにあるユニクロへ駆け込み、替えのTシャツを購入したそうです。
◆罰ゲームで使う予定のTシャツだった
家に帰ってからそのことを息子に話すと、それは誕生日会の罰ゲームに使う予定のアイテムで、外に着ていくものではないとのこと。