第2話ではスージーとマサが出逢い、心を通わせていく様子が描かれます。自身の過去を告白した際の複雑な心境は、声のトーンと抑揚だけでも伝わってきました。英語で聴いているとは思えないほどに。西島はこれまでも公の場所で英語を話していましたが、こんなにも作品に馴染むのは、並々ならぬ研鑽が積まれてきたからだと容易に分かります。そして第2話後半、ベッドで美しい肉体と優しい声の英語でスージーを口説く西島には完全KOされました。
これまで培われた西島の魅力を、新たな切り口で見せてくれた『サニー』。ぜひ第2シーズンも制作してほしい!
◆嫌味も愛おしく感じさせる“神経質”が新鮮!
新たな切り口という意味では、西島の“三谷幸喜作品”初参加となった映画『スオミの話をしよう』のキャラクターも新鮮でした。本作ではヒロイン・スオミ(長澤まさみ)の4番目の夫である、神経質な警察官・草野を演じています。
映画を観たら、その“神経質さ”は想像以上。色んなことに、とにかく細かい!! スオミに、彼女との“キス”について言及するシーンがあるのですが、こんなこと相手に言われたら誰でもブチ切れるような内容でした(笑)。しかし、なぜかイラッとさせないのが西島の不思議なところ。三谷監督も、SNSに公開した撮影日誌で次のように語っています。
<初めてご一緒する西島さん。料理が苦手だと言うスオミに「料理だけが苦手な言い方だな」と返す。かなり嫌味なセリフを、とても清々しく言ってくれる西島さんに、一瞬で信頼感が芽生えた。>(三谷幸喜Instagramより)
嫌味な台詞を清々しく“イラッ”と聞かせないのは、草野という人物を魅力的に見せるポイントだったのかも。過去にダメ男も色々演じてきた西島ですが、どうしてもどこか憎めないキャラクターになっています。役のもつ人間らしい愛らしさを表現するのが彼の魅力であり、好感度が高い理由なのかも知れません。