『おむすび』糸島編では、結ちゃんが「ギャルになる」までの過程が描かれましたが、結ちゃんがルーリー(みりちゃむ)のようなギャルマインドを発揮するシーンはひとつもありませんでした。なので、ルーリーにはルーリーのギャル像、スズリンやタマッチやリサポンにもそれなりのギャル像があったんだけど、結ちゃんにはギャル像がないんですよね。だから、今の結ちゃんに糸島時代の面影がない。急に知らない子が登場して、専門学校で顰蹙を買っているという図にしかなってない。

 連ドラとして、かなりヤバいことになってると思います。

■結ちゃんのギャル像がないから

 結ちゃん独自のギャル像というものがないから、ドラマは作り手にあらかじめインプットされているテンプレートのギャル像をそのまま結ちゃんに当てはめることになります。

 そのテンプレートの出来もよくないんだよな。

 栄養士になりたいという動機を本気で語るのがダサい、カレシのためって言いそう。

 とか。

 学業に真面目に取り組むのはダサい、適当に笑い飛ばしてそう。

 とか。

 授業内容についてあらかじめ調べて用意するのはダサい、ネイルつけて行きそう。

 とか。

「ギャル」と「不真面目」の区別がついてないことが、この段階まできて露見してしまっている。スズリンはネイルに、タマッチはダンスに、それぞれ真面目に取り組んでいた。ベクトルが違うだけで、結ちゃんが栄養士の勉強に取り組む姿勢はあれくらい真剣であって然るべきなのに、なぁーんにも考えない、なぁーんにも準備しないままに入学してる。それを「ギャル的である」という文脈で伝えてくるなら、サッチンならずとも「なめとん?」って言いたくなるわいな。

(文=どらまっ子AKIちゃん)