その人気が興行収入などの”数字”に結びつかない理由はどこにあるのだろうか。
「オファーは殺到しているんでしょうが、もう少ししっかりと作品選びをした方がいいように思います。『ルート29』では映画祭で見せた煌びやかなドレス姿とは裏腹にメガネをかけた地味な女性役で、綾瀬の良さが消えてしまっていました。振り返れば、16年のNHKの大河ファンタジーの『精霊の守り人』でアクションに目覚めたあたりから、本人とファンの求めるものにギャップが出始めた印象です。PRのために大胆なドレスを着るのであれば作中で魅せてもらいたいですね」(前出のスポーツ紙の芸能担当記者)
芸能ジャーナリストの平田昇二氏もこう期待を寄せる。
「綾瀬さんはドラマに関しては、『JIN-仁-』で主人公をけなげに支える女性、『ホタルノヒカリ』(日本テレビ系)では“干物女”、『義母と娘のブルース』ではバリバリのキャリアウーマン、『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)では元スパイの人妻、『天国と地獄 ~サイコな2人~』ではサイコパスな殺人鬼と入れ替わる刑事などさまざまな役を演じ、数多くの作品をヒットに導いています。一方、映画に関しては『リボルバー・リリー』や『おっぱいバレー』(2009年)、長澤まさみさん、夏帆さん、広瀬すずさんと共演した『海街diary』(2015年)で『日本アカデミー賞』の優秀主演女優賞こそ受賞していますが、ドラマほどの存在感は放てていない印象です。もっとも、今作の『ルート29』に関しては現状、数字面での苦戦が伝えられてはいますが、笑顔をはじめとした多彩な表情やアクションといった武器をあえて封じ、他者とコミュニケーションを取ることをしない主人公という“素朴な難役”を丁寧かつ見事に演じており、綾瀬さんがこれまでの映画ではあまり見せることがなかった別の魅力を感じさせる部分もあります。元々演技力には定評がありますし、それこそドラマ『白夜行』の時を超えるような悪女役やハードな濡れ場など、今後も従来の俳優イメージとはギャップのある役や演技にも挑戦してほしいですね」